六味地黄丸
補陰(補腎陰)の基本方剤―「中医のホルモン剤」とも呼ばれる
なりたち/その後
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(六味地黄丸の適応証=腎陰虚証を理解する)
陰虚証とは?/腎陰虚とは?/どんな疾患に使えるのか?
2.六味地黄丸とはどんな薬か?(六味地黄丸の構造と作用を理解する)
基本構造/解説/補と瀉
3.どのように使うのか?
基本的加減法/長期服用について/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(六味地黄丸の背後にある中医理論)
1.基礎理論
腎陰(腎精)と骨・歯・髄・脳・生殖機能の関係/
腎陰虚の全身への影響/五遅・五軟と六味地黄丸
2.臨床応用
方剤の特徴を利用した応用法(「3補」のバランスをかえる/
「補」と「瀉」のバランスをかえる)/滋陰利湿法の中の六味地黄丸
3.いろいろな解釈
少し違った解釈(山薬を補肺薬として理解する/
沢瀉・牡丹皮・茯苓を「腑の気を通す薬」として理解する)/
まったく違う解釈/マニアックな解釈
3 疾患別使用例
喘息/(慢性の)咳嗽/不整脈/糸球体腎炎の回復期・慢性腎炎/
糖尿病(腎陰虚+胃燥熱タイプ)/糖尿病(腎陰虚または気陰両虚タイプ)/
再生不良性貧血/SLE/(低カリウム血性)周期性四肢麻痺/
(習慣性の)脱臼/機能(不全)性子宮出血/男性不妊症(死精症)/
遺精(夢精・精液漏)/萎縮性鼻炎
知柏地黄丸
六味地黄丸に知母・黄柏をプラス/陰虚火旺証治療の基本方剤
なりたち
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(知柏地黄丸の適応証=陰虚火旺証を理解する)
陰虚証とは?/陰虚証と陰虚火旺証/陰虚火旺証
2.知柏地黄丸とはどんな薬か?(知柏地黄丸の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/長期服用について/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(知柏地黄丸の背後にある中医理論)
1.基礎理論
知母・黄柏について/相火と虚火と知母・黄柏
2.臨床応用
黄柏の堅陰作用/耳鼻咽喉科での応用
3 疾患・病証別使用例
慢性腎盂腎炎/早漏/慢性(化膿性)中耳炎/口腔内の潰瘍/視神経炎
杞菊地黄丸
六味地黄丸に枸杞子・菊花をプラス/肝腎陰虚治療の基本方剤
なりたち
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(杞菊地黄丸の適応証=肝腎陰虚証を理解する)
陰虚証とは?/腎陰虚とは?/肝腎陰虚証とは/肝血虚と肝陰虚
2.杞菊地黄丸とはどんな薬か?(杞菊地黄丸の構造と作用を理解する)
基本構造/解説/基本的加減法
3.どのように使うのか?
長期服用について
2 応用のための基礎知識(杞菊地黄丸の背後にある中医理論)
1.基礎理論
腎陰と肝陰(乙癸同源)/肝と目/肝と風
2.臨床応用
葉心清氏の加減法/長生不老の薬―枸杞子
3 疾患・病証別使用例
慢性結膜炎/老年性白内障/先天性白内障/慢性単純性緑内障/
視神経萎縮/てんかん/不整脈/慢性腎不全
附 その他の地黄丸
(1000年の時を超え,今なお増殖し続ける「地黄丸」の分身たち)
解説
宋~元代(10~13世紀)
済生腎気丸/十補丸/補腎地黄丸/益陰腎気丸
明代(14~17世紀)
麦味地黄丸/七味地黄丸/左帰飲/右帰飲/明目地黄丸/滋腎生肝飲
清代(1662年~1911年)
七味都気丸/帰芍地黄丸/九味地黄丸/加味地黄丸/
滋陰地黄丸/益陰湯
民国以後(1911年~)
九子地黄丸/地黄青娥湯/壮腎固精湯/六五地黄湯/
蘇蝉六味地黄湯/辛芷六味地黄湯/二六湯/加味麦味地黄湯/
新擬麻黄都気湯
独活寄生湯
慢性の痺証(神経痛や関節炎)の治療に多用される
なりたち
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(独活寄生湯の適応証=気血虚・肝腎虚を伴う風寒湿痺を理解する)
痺証とは?(痺証の概念)/
風寒湿痺とは?(痺証の分類)(病因による分類/病程による分類)
独活寄生湯の適応証/どんな疾患に使えるのか?
2.独活寄生湯とはどんな薬か?(独活寄生湯の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(独活寄生湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
痛みとは?/関節の屈伸不利と肝腎
2.臨床応用
独活寄生湯の地黄について/
留痺証の基本的治法・用薬法(風・寒・湿による使い分け/熱痺の治療/
上肢・下肢による使い分け/藤類薬の応用/虫類薬の応用)
3 疾患・病証別使用例
慢性関節リウマチ/坐骨神経痛/閉塞性血栓血管炎/
おりもの過多/側頭下顎関節機能不全
二陳湯
痰湿証治療の基本方剤
なりたち/二陳とは?/その後
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?(二陳湯の適応証=痰湿証を理解する)
痰とは?/痰湿証とは?/どんな疾患に使えるのか
2.二陳湯とはどんな薬か?(二陳湯の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(二陳湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
痰の治療法/痰と飲
2.臨床応用
王宮で多用された二陳湯/半夏と不眠
3 疾患・病証別使用例
慢性幽門洞胃炎/十二指腸球後潰瘍/間質性肺炎/
感染を伴う,慢性気管支炎・肺気腫/頭痛/偏頭痛/不眠症/
生理不順/おりもの過多/各種嚢胞で,嚢内に液体のあるもの/
非感染性で非化膿性の坐骨結節滑液嚢胞炎や
慢性膝蓋骨滑液嚢胞炎/霰粒腫/中心性網脈絡膜炎
附_その他の二陳湯(加減を通して適応範囲を広げる)
消化器系疾患
加味二陳湯/和胃二陳煎/茯術二陳煎/二術二陳湯/二陳平胃散/
二陳四七湯/枳朴二陳湯/香砂二陳湯
呼吸器系疾患
六安煎/二母二陳湯/杏蘇散
神経科疾患
導痰湯/梔連二陳湯/半夏白朮天麻湯/定癇丸/滌痰湯
小児科疾患
黄連二陳湯/麹麦二陳湯/枳桔二陳湯
婦人科疾患
蒼附導痰湯/開二湯
外科疾患
芩連二陳湯/南星二陳湯/化堅二陳丸
温胆湯
胆胃不和による痰熱証治療の名方剤
なりたち
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(温胆湯の適応証=胆胃不和による痰熱証を理解する)
胆胃不和による痰熱証とは?/どんな疾患に使えるのか
2.温胆湯とはどんな薬か?(温胆湯の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(温胆湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
なぜ“温胆”か?→臓熱腑寒説/中焦と肝胆脾胃/痰と精神疾患
2.方剤論
温胆湯と和胃
3.臨床応用
痰と心疾患/竹筎温胆湯とインフルエンザ
3 疾患・病証別使用例
慢性胃炎/慢性胃炎/統合失調症/幻覚/不眠症/てんかん/
冠状動脈疾患/高血圧症/更年期障害/更年期障害
附 その他の温胆湯
消化器系疾患
加味温胆湯/蘇朴温胆湯(経験方)
精神疾患
参胡温胆湯/加減温胆湯/加味温胆湯(王李儒)
神経系疾患
黄連温胆湯/十味温胆湯/珍珠温胆湯(蒲輔周)
循環器系疾患
加減十味温胆湯(蒲輔周)/菖志温胆湯(蒲輔周)
四物湯
血虚証治療の基本方剤/婦人科疾患に多用される
なりたち
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(四物湯の適応証=営血虚滞証・衝任虚損を理解する)
営血虚滞証とは/衝任虚損とは/どんな疾患に使えるのか
2.四物湯とはどんな薬か?(四物湯の構造と作用を理解する)
熟四物湯(陽四物湯)/生四物湯(陰四物湯)/『局方』の四物湯
3.どのように使うのか?
熟四物湯と生四物湯の使い分け/基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(四物湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
月経とは?/婦人科疾患と奇経と四物湯/
血虚(中医)と貧血(西医)(中医からみた貧血/西医からみた血虚)
2.臨床応用
補血のいろいろ/劉完素の四物湯使用法(組成薬内での変化/ほかの
薬を加える)/朱丹渓の四物湯使用法(弁証からみた使用法/疾患から
みた使用法)
3 疾患・病証別使用例
生理不順/生理痛/月経期のカゼ/ものもらい(麦粒腫)/流涙症/
(単純疱疹性)角膜炎/(外傷性)白内障/偏頭痛(片頭痛)/
多発性硬化症/アレルギー性鼻炎/じんましん(蕁麻疹)
附 その他の四物湯
解説
婦人科疾患
六合湯/増損四物湯/表実六合湯/表虚六合湯/昇麻六合湯/
柴胡六合湯/益母勝金丹/桃紅四物湯/四二五合方/
加味四物湯/養血調経湯
眼科疾患
四物竜胆湯/除風益損湯/当帰養栄湯/加減四物湯/四物五子丸/
加味四物湯/四物退翳湯
皮膚科疾患
生料四物湯/四物消風飲
四君子湯
気虚証治療の基本方剤
なりたち/なぜ“君子”なのか?
(「厚徳載物」説/「中和」説(「中庸」説)/「沖和之徳」説)
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(四君子湯の適応証=脾胃気虚証を理解する)
脾胃気虚証とは/どんな疾患に使えるのか
2.四君子湯とはどんな薬か?(四君子湯の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
副作用の防止/基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(四君子湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
呉鞠通の解釈(方剤の大意について/組成薬の解説/応用法)/
四子湯と補中益気湯/人参のいろいろ(栽培法による分類/
加工法による分類/産地による分類/人参の仲間)
2.臨床応用
補気のいろいろ(整体機能としての「気」/臓の機能としての「気」)/
人参と茯苓/四君子湯-脾陰虚証への応用(清代・王宮内の
方法/岳美中氏の方法)
3 疾患・病証別使用例
慢性腸炎/食欲不振/脊髄空洞症/重症筋無力症/薬物性血尿/
気管支喘息(発作の防止)/紫斑病性腎炎/脂肪種
附 その他の四君子湯
解説
消化器系疾患
異功散/白朮散/八珍散/六君子湯/補気運脾湯/帰芍異功散/
丁沈四君子湯
小児科疾患
六神散/生附四君子湯
呼吸器系疾患
寧肺湯/人参五味子湯
咽喉科疾患
黄耆補中湯/咽燥健脾湯(干祖望)
外科疾患
託裏益気湯/託裏消毒散/人参固肌湯/託裏排膿湯
香砂六君子湯
脾虚・湿阻気滞を治療する「補気+行気」の代表方剤
なりたち
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(香六君子湯の適応証=脾胃気虚・湿阻気滞証を理解する)
脾胃気虚証とは/脾胃気虚・湿阻気滞証とは/どんな疾患に使えるのか
2.香砂六君子湯とはどんな薬か?
(香砂六君子湯の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(香砂六君子湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
四君子湯から香砂六君子湯へ(四君子湯/異功散/六君子湯/
香砂六君子湯)/香砂六君子湯と二十四味流気飲/
香砂六君子湯の“香”(木香/香附/藿香/檀香/沈香)
2.臨床応用
芳香燥湿薬の使い方/胃下垂への応用
3 疾患別使用例
胃潰瘍/B型肝炎/気管支喘息/狭心症/不眠症/
化学療法薬の副作用/食品添加物中毒
平胃散
湿滞脾胃証を治療する燥湿運脾の代表方剤
なりたち
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(平胃散の適応証=湿滞脾胃証を理解する)
湿滞脾胃証とは/どんな患者に使えるのか
2.平胃散とはどんな薬か?(平胃散の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/服用法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(平胃散の背後にある中医理論)
1.基礎理論
散剤について/“朮”のいろいろ
2.臨床応用
去湿のいろいろ(内湿の治療法)(程度による使い分け/
部位による使い分け/虚実のバランスによる使い分け)/
いろいろな加減法(李東垣の方法/清代・王宮内の方法/
潘静江氏の方法)
3 疾患・病証別使用例
慢性の便秘/慢性結腸炎/十二指腸球部潰瘍/顔面片側萎縮/
不眠症/狭心症/閉経/顔面部のにきび
藿香正気散
夏のカゼに多用される「外寒+内湿」治療の名方剤
なりたち/正気とは?
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(藿香正気散の適応証=外感風寒・湿滞脾胃証を理解する)
外感風寒・湿滞脾胃証とは/どんな疾患に使えるのか
2.藿香正気散とはどんな薬か?(藿香正気散の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(藿香正気散の背後にある中医理論)
1.基礎理論
各種“正気散”と,表裏のバランス(『局方』の世界)/
各種『局方』方剤と,虚実のバランス/藿香正気散と霍乱
2.臨床応用
呉鞠通の5種の“加減正気散”/姚蔭仙の藿麴湯
3 疾患別使用例
感冒/赤痢/十二指腸潰瘍/不眠症/メニエール病/糖尿病/
急性腎炎(糸球体腎炎)/皮膚搔痒症/母乳の不足/再発性アフタ
補中益気湯
甘温除熱の代表方剤/補気昇陽の代表方剤
なりたち/その後/補中益気湯の“益”について
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?(補中益気湯の適応証を理解する)
補中益気湯の適応証/どんな疾患に使えるのか
2.補中益気湯とはどんな薬か?(補中益気湯の構造と作用を理解する)
構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減方/用量について/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(補中益気湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
李東垣の医学理論/昇陽のいろいろ/陰火のいろいろ/
甘温除熱法とは
2.臨床応用
耳鼻咽喉科疾患への応用(蒲輔周氏の方法/千祖望氏の方法/蔡
福養氏の方法)/慢性肝炎への応用(屠揆先氏の方法/史済招女士
の方法)/針処方による補中益気湯
3 疾患・病証別使用例
高血圧/神経衰弱症/アレルギー性鼻炎/習慣性流産/胃下垂/
慢性の血尿/内痔/精子減少/網膜色素変性
附 20世紀の「補中益気湯」加減方
解説
1.重症筋無力症
治重症肌無力方(鄧鉄涛)/方剤名なし(劉弼臣)
2.胃下垂・子宮下垂・脱肛
加減補中益気湯(陳徳潤)/加減補中益気湯(王渭川)/
子宮脱垂1号方(賈河先)
3.アレルギー性鼻炎
益気固表湯(林文森)
4.潰瘍性結腸炎
加味補中益気湯(姜春華)
5.メニエール病
補中益気湯加味(蒲輔周)
6.慢性喉炎(声帯小結節)
加味補中益気湯
帰脾湯
心脾・気血両虚を治療する名方剤
なりたち/その後/“帰脾”とは?
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(帰脾湯の適応証=心脾・気血両虚証と脾不統血証を理解する)
心脾・気血両虚証/脾不統血証/どんな疾患に使えるのか
2.帰脾湯とはどんな薬か?(帰脾湯の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(帰脾湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
“心脾同治法”と“交通心腎法”と帰脾湯/“補気生血法”と帰脾湯/
出血とは
2.臨床応用
中医の出血治療法/不眠治療への応用/
眼科疾患への応用(中心性漿液性網膜絡脈炎/黄斑出血/
眼底部の反復性の出血/各種視力障害)
3 疾患・病証別使用例
心房細動/洞性徐脈/狭心症/発作性心房性頻拍症/
脳動脈硬化による神経衰弱/振戦(パーキンソン病と,小脳疾患は
除外)/網膜静脈周囲炎/硝子体混濁/閉経/子宮出血/内痔
血府逐瘀湯
行気活血化瘀の代表方剤
なりたち/“血府”とは(“血府”とは/象徴概念としての“血府”)
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(血府逐瘀湯の適応証=胸中血瘀証を理解する)
胸中血瘀証/どんな疾患に使えるのか
2.血府逐瘀湯とはどんな薬か?(血府逐瘀湯の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(血府逐瘀湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
王清任の“気血理論”(体内循環システムとしての「気血」/
「気」と「血」の関係/病源としての「気血」/「血瘀証」の形成)/
『医林改錯』のなかの血府逐瘀湯/“血府逐瘀湯”の多層的理解
2.臨床応用
『医林改錯』にみる血瘀証の特徴/血府逐瘀湯“24種の適応症”の
まとめ/診断時に区別すべきこと(「気鬱と血鬱」の区別/「虚証と
実証」の区別/「本虚標実」証に使う場合/「痰阻と血瘀」の区別)/
活血5薬/領域を越えた加減法
3 疾患別使用例
≪第1部:王清任が提示した範囲内での応用≫
頭痛/胸痛/胸部の異常/男性の更年期障害/不眠症/
夜間の発熱/呃逆(しゃっくり)
≪第2部:後世の発展的応用≫
喘息/視神経萎縮/再発性口腔潰瘍/褐色斑/インポテンス
補陽還五湯
中風後遺症治療に多用される補気活血化_の代表方剤
なりたち/“還五”とは(王清任の半身不随論)
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(補陽還五湯の適応証=気虚血瘀・脈絡瘀阻証を理解する)
気虚血瘀・脈絡瘀阻証/どんな疾患に使えるのか
2.補陽還五湯とはどんな薬か?(補陽還五湯の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/服用法/使用上の注意と副作用/そのほかの注意事項
2 応用のための基礎知識(補陽還五湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
王清任の“補気活血法”/王清任の活血化_法
2.臨床応用
気虚血瘀証(「高山病」への応用/「冠状動脈疾患」への応用/
「老化防止」への応用)/補陽還五湯“9種の適応症”のまとめ/
中風“左癱右瘓”論/虫類薬と半身不随(治偏癱截癱方(鄧鉄涛)/
蛭蛇還五湯(内蒙古医学院・中蒙医系内科))
3 疾患・病証別使用例
半身不随/頭痛/坐骨神経痛/不眠症/洞不全症候群/高血圧/
糖尿病性神経障害/MCTD/インポテンス/射精不能/
堕胎手術後の子宮出血
逍遙散
「養肝」「疏肝」「健脾」による調和肝脾の名方剤
なりたち/“逍遙”とは
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(逍遙散の適応証=肝鬱血虚・肝脾不調証を理解する)
肝鬱血虚・肝脾不調証/どんな疾患に使えるのか
2.逍遙散とはどんな薬か?(逍遙散の構造と作用を理解する)
構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減方/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(逍遙散の背後にある中医理論)
1.基礎理論
肝脾不調と逍遙散/養肝体,合肝用とは/逍遙散を発展させた方剤
2.臨床応用
往来寒熱と鬱証発熱/薄荷同煎の意味
3 疾患・病証別使用例
不眠症/パーキンソン病/癲癇/ヒステリー/神経症/不眠症/
慢性肝炎(B型肝炎)/視神経炎/視神経萎縮/生理不順/円形脱毛症
竜胆瀉肝湯
肝経の湿熱・実火治療の代表方剤
なりたち/その後
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(竜胆瀉肝湯の適応証=肝経実火証・肝経湿熱証を理解する)
肝経実火証/肝経湿熱証/どのような疾患に使えるのか
2.竜胆瀉肝湯とはどんな薬か?(竜胆瀉肝湯の構造と作用を理解する)
構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(竜胆瀉肝湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
李東垣と苦寒薬(「薬の組みあわせ」を工夫する/「運用法」を
工夫する)/肝経湿熱証について(「部位」について/「症状」「疾
患」について)
2.臨床応用
苦寒性を抑える/帯状疱疹と竜胆瀉肝湯(中医からみた「帯状疱疹」/
中医による「帯状疱疹」の治療/竜胆瀉肝湯からみた「帯状疱疹」)
3 疾患・病証別使用例
クモ膜下出血/ウィルソン病/不眠症/目眩/狭心症/角膜炎/
視神経炎/慢性の突発性血小板減少性紫斑病/鼻洞炎/
老人性膣炎/慢性子宮頸炎
黄連解毒湯
苦寒薬による清熱解毒の代表方剤
なりたち/“毒”とは
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(黄連解毒湯の適応証=三焦火毒熱盛証を理解する)
三焦火毒熱盛証/どんな疾患に使えるのか
2.黄連解毒湯とはどんな薬か?(黄連解毒湯の構造と作用を理解する)
構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(黄連解毒湯の背後にある中医理論)
1.基礎理論
温病・気分証のなかの黄連解毒湯/“截断扭転”法とは
2.臨床応用
外科疾患への応用/劉完素の方法/加減による調節
3 疾患・病証別使用例
デング熱/帯状疱疹/パーキンソン病/劇症肝炎(亜急性型)/
分裂症/食物アレルギーによる水泡性発疹・紫斑/
化膿性リンパ節炎/梅毒
防風通聖散
表裏双解の名方剤/肥満治療にも応用される
なりたち/“通聖”とは
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?
(防風通聖散の適応証=風熱壅盛・表裏倶実証を理解する)
風熱壅盛・表裏倶実証/どんな疾患に使えるのか
2.防風通聖散とはどんな薬か?(防風通聖散の構造と作用を理解する)
構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減法/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(防風通聖散の背後にある中医理論)
1.基礎理論
劉完素の医学理論と防風通聖散
(概況/病因・病機観/治法・用薬法/防風通聖散について)
2.臨床応用
作用の方向性を調節する/子癇への応用
3 疾患別使用例
鼻洞炎/突発性難聴/慢性じんましん/急性じんましん/
泌尿器系感染/眼瞼縁炎/狂証/不眠
玉屏風散
「屏風を立てて風をよける」益気固表の代表方剤
なりたち/玉屏風とは?
1 基本を押さえる(製剤の使い方)
1.どのような患者に使うのか?(玉屏風散の適応証を理解する)
玉屏風散の適応証(易感風邪/自汗証/風傷衛)/
どんな疾患に使えるのか
2.玉屏風散とはどんな薬か?(玉屏風散の構造と作用を理解する)
基本構造/解説
3.どのように使うのか?
基本的加減方/比率設定のめやす/使用上の注意
2 応用のための基礎知識(玉屏風散の背後にある中医理論)
1.基礎理論
玉屏風散をとりまく誤解
(有邪・無邪の誤解/治本・治標の誤解/汗証に対する誤解)/
自汗証のなかの玉屏風散
2.臨床応用
予防薬としての用法(「カゼをひきやすい」状態を改善する/
日和見感染の予防/破傷風の予防)/
アレルギー疾患への応用(アレルギー性鼻炎/喘息/じんましん)
3 疾患・病証別使用例
慢性気管支炎/気管支拡張症/アレルギー性鼻炎/
咳をすると失禁する/慢性腎炎/慢性腸炎/吐血/
月経に伴う発熱/更年期障害
方剤出典
参考文献
方剤索引
疾病・症状索引
病証索引
用語索引