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▼書籍のご案内-後書き

『[新装版]中医臨床のための舌診と脈診』 あとがき

[ 中医学 ]

あとがき


 旧版の出版以来25年を経過し,本書は絶版となっていた。その間多くの医師・薬剤師が漢方薬を日常診療に用いるようになったが,多くは西洋医学的な病名から方剤を選ぶような使われ方がなされている。中医学は現代医学的とは異なる視点から疾患をとらえた医学であり,その診療のもととなるのは四診である。舌診・脈診についてまとめた本書は,多くの要望をいただき再版される機会をいただいた。
 中医学的な内容を中心とした記述は,細かな点以外は内容的に旧版から変更していない。あらためて目を通していただくことで,今後の診療の一助となれば幸いである。

 最後に辛抱強く改訂原稿をお待ちいただいた東洋学術出版社の井ノ上匠氏には厚く感謝申し上げたい。


2016年10月
神戸中医学研究会



『中医オンコロジー ―がん専門医の治療経験集―』 おわりに

[ 中医学 ]

おわりに


 あるとき,広安門病院の進修医制度を利用して勉強に来ていた肝臓内科専門の中国人医師と知り合いました。その医師は,「西洋医学では風邪すらろくに治す方法がない。だから俺はいい年して中医学を始めたんだ。だって治せなきゃしょうがないだろ」とぼやいていました。この話を聞いたときに,『皇漢医学』(湯本求真)の自序を思い出しました。
 「長女を疫痢のために亡(うしな)ひ習得せる医術の頼み少なきを恨み煩悶懊悩すること数月,精神ほとんど錯乱せんとするに至りしが,たまたま故恩師和田啓十郎先生著『医界之鉄椎』を読みて感奮興起(かんぷんこうき)し,はじめて皇漢医学を学ぶ」
 長女をなくして西洋医学に幻滅して漢方を志した湯本先生。これと同じような動機で中医学を始める人が中国にもいて,妙に感動しました。
 日本では,漢方医学は明治時代に否定されてしまい,医療の表舞台から消し去られていた時代もありましたが,そのようななかでも徐々に復活してきた経緯があります。どんなに虐げられようが,人間にとって必要なものは誰かが支え,伝えていくのだと確信しています。
 私は,近々留学生活を終えて日本に帰国する予定ですが,今後は日本でも中薬によるがん治療を積極的に行いたいと考えているところです。ただし,本書に記載した抗がん生薬のなかには,日本で医療用として使えない植物もあるため,日本で治療するときには,この中医オンコロジーの考えを残しつつ,実際の用薬は改変する必要があります。また患者の経済的負担を考えると,できれば医療保険でカバーできる生薬を使ったがん治療の可能性も追求しなければならないとも思っています。
 本書の出版にあたり,私を漢方医として育ててくださった寺澤捷年先生(元日本東洋医学会会長),中医腫瘍治療の基礎を指導してくださった広安門病院腫瘍科の朴炳奎教授・花宝金教授,遅々として進まない翻訳作業に辛抱強くつき合ってくださった東洋学術出版社の井ノ上匠社長,また丁寧な編集をしてくださった同社の麻生修子さんに感謝の意を表します。


2016 年7 月 平崎能郎



『中医臨床のための医学衷中参西録』 第2巻[雑病篇]

[ 中医学 ]

あとがき


 第1巻で傷寒・温病の外感病を扱ったのに続き,第2巻である本書では《医学衷中参西録》の中核である内傷雑病をとりあげた。神戸中医学研究会で本書の重要性をはじめに注目し,実際に使用してその有用性を認識し翻訳を指示されたのは伊藤良会長である。これを受けて翻訳は池尻研治が行い,すでに鬼籍に入られた森雄材・竹原直秀・浜田富三雄をはじめ,巻頭に名簿を記載した現在の本会メンバーで活発な討論を行い,啓発を受けてこれをまとめたのが本シリーズである。第3巻では教育者としての張錫純の姿がうかがえる書簡なども含みさらに興味は尽きない。


神戸中医学研究会


『臨床に役立つ五行理論―慢性病の漢方治療―』

[ 中医学 ]

あとがき


 五行説は,宇宙の森羅万象を理解し法則性を見出して体系化したもので,当初は医学とは無関係でした。しかし医業に携わる人も参加して,やがて五臓と関連付けられ医学的に検討されるようになっていったと推察されます。
 「五行理論を使って治療する」といいますが,人体のもつ臓器相関(神経性胃炎・脳腸相関・肝腎症候群等)が,たまたま五行理論の木乗土・水木相生などと,よく当てはまる部分があったため,というのが筆者の実感です。したがって五行理論のすべてを人体に当てはめようとするのは,暴挙であると考えます。しかし,逆に人の病態に五行理論を当てはめて考えることは,難治病への治療の糸口を与えてくれる可能性があります。
 たとえば,肝鬱・ストレス由来の疾患は人体において最も多くみられます。肝鬱をはじめ,相侮の肝火犯肺など肝鬱関連の五行理論に熟知しておくと,治療に非常に役に立ちます。ときには長期にわたる難治例がわずか2週間という短期間に著効することもあります。特にある臓の病気が,その臓に対する処方で治らないときには,五行理論を駆使すると簡単にその病気に適応する処方に到達することも多いことでしょう。先生方が五行理論を駆使して,難病治療に成功されることを祈って稿を終えます。お気づきの点がございましたら,ご教示いただけますと幸甚です。
 最後になりましたが,本書の出版にあたり,校正,ご助言,種々疑問点の相談にのっていただきました,アオキクリニック院長の二宮文乃先生,菅沼栄先生に,深謝いたします。
 また,御尊父,陸幹甫先生の考えをご教示いただき,種々ご助言いただきました,神戸中医学研究会の陸希先生に謝意を表します。さらに,五行理論についての忠告をいただきました,日本中医学会会長の平馬直樹先生に,深謝いたします。
 出版にあたり公私ともにお世話になった,東洋学術出版社社長の井ノ上匠様,会長の山本勝司様に深謝いたします。

筆者

『再発させないがん治療 ~中国医学の効果~』

[ 中医学 ]

 本文中に書かせていただいた老中医たち以外にも,多くの先人たちからたくさんのことを学ばせていただき,幸せな人生であったと感謝しています。外科医から中国医学を専門とする立場に変えるにあたり,家内や家族にも大きなバックアップをしていただき同じく感謝に堪えません。
 近年は特にがんをはじめとする難治性疾患の治療にその重点を置き,いまだ不十分ながら,それなりの効果を上げることができていると感じています。がんの種類別に解毒系生薬と温裏薬を配慮することは必要なことで,本書ではその一端をお示しすることができたと思っています。
 ただ,生薬の市場価格が非常に高騰してきており,もっと国内生産を増やす方途を取っていかなければ,今後,生薬での治療は困難になるばかりと思われます。縁ある若い方たちが大分県や茨城県で漢方生薬の栽培に成功しており,今後いっそうこういう動きが増えていくことを期待したいと思っています。


2015年1月
著者

『経穴の臨床実践』

[ 鍼灸 ]
あとがき


 経穴の学習は一人前の鍼灸師になるためには必須の課目である。しかし現実には,鍼灸師の資格を得ても,経穴にはどんな効きめがあるのか? いつ,どんな場面で使うのか? どの経穴と組み合わせれば相乗効果が得られるのか? といったことがわからず,悩んでいる鍼灸師が少なくないだろう。そのため,局所取穴の治療しか行わない者も多いかも知れない。
 筆者らは毎月1回,中医鍼灸の講習会を主催しているが,全国から大勢の医師や鍼灸師が学習しに来てくれている。そんなとき,彼らから「呉先生の経穴の使い方をまとめた本を作って欲しい」と,求められることが多かった。その声に応えるため,データを整理し,経験症例を集積して,本書の草稿を完成させた。その後,東洋学術出版社の井ノ上匠社長のご指導とご支援をいただいて,このたび本書が出版されることになった。改めて東洋学術出版社の山本勝司会長,井ノ上匠社長,さらに出版社の編集部の皆さまに心より御礼申し上げたい。また,鍼灸師の小沼静香さん,片寄結子さんの協力にも合わせて御礼申し上げたい。
 本書は大きく2部構成になっている。
 第1部では,経穴の基本的知識を紹介した。まず経穴のもつ共通性と個性を概説したうえで,各経穴の特徴に応じた活用法について,具体的な症例を提示して中医基礎理論にもとづいて解説を加えた。特に経穴の位置が近かったり,経穴の作用や適応症が似ている「相関経穴」の区別とその使い方に頁を割いた。臨床において「相関経穴」の使い分けに迷うことが多いと思われるからである。またそれぞれの経穴を活かすコツについても随所にちりばめた。最後に臨床効果を左右する選穴と配穴について具体例を示しながら解説した。第1部では,筆者らの経験にもとづき経穴の表面から裏面まであらゆる角度からその実体に迫った。基本的知識の紹介とはいえ,従来の教科書の枠を超え臨床実践を前提に記載したので,鍼灸教育の場でも臨床の場でも大いに役立つ内容と自負している。
 第2部では,臨床でよく使う40の経穴・奇穴を取り上げ,それぞれのツボについて[穴名の由来][解剖位置][取穴法][作用][主治][刺法][注意事項][臨床配穴][症例]を記した。[穴名の由来]は,経穴のイメージを理解するうえで役立つだろう。[取穴法]は正式な方法を重点的に説明したが,同時に簡便な取穴法も紹介しておいたので参考にしてほしい。[作用]の解説を通じて,その経穴が効く理由を全面的に理解できるはずである。[主治]では諸経穴が効く古今の病症をあげており,その経穴がどの範囲まで治療できるかをイメージするうえで役立つだろう。[刺法]では多彩な鍼法・灸法・補瀉法などについて応用しやすいようできるだけ具体的に記した。[注意事項]は鍼灸事故を避けるためのほか,最適な刺法・灸法についても紹介している。[臨床配穴]では代表的な配穴によって効果のある病症を表にしてお示しした。さらに[症例]では,筆者らの30年余りの臨床経験のなかから,自ら治療した印象深い症例を数多く収録した。ここでは,中医学的な病態の理解と,取穴の理由に重点をおいて詳しく解説した。
 本書は中医理論と鍼灸の臨床とを融合したものであり,中医学を学んだ鍼灸師が,日常の臨床においてどの経穴を取って治療すればよいかを考えるうえで,参考になるはずである。鍼灸学校の在校生にとっては,経穴の知識を深く学ぶことができるうえ,鍼灸の世界に入門するうえで最適の一冊になると思う。
 本書の出版によって,経穴に対する関心が高まり,中医鍼灸の魅力がさらに広がっていくことを心より祈っている。


2014年春
呉澤森
孫 迎

中医臨床のための温病学入門

[ 中医学 ]
あとがき


 旧版『中医臨床のための温病学』を上梓して21年余りの歳月が過ぎ,執筆の中心となって活躍された森雄材先生が逝去され,当時の下原稿を分担した会員の三澤法蔵,竹原直秀各先生も鬼籍に入られました。今回,新版を上梓するにあたり旧版の担当の一員であった池尻研治が全体を見直し図表などを加えて下原稿を作成した後,現在の会員で討論し,校訂を行い本会所属の中医師・林賢濱および会員で再度校正を行いました。まだ,不足や誤りがあることを危惧しております。気づかれたことはご遠慮なくご指摘下さい。
 本書が読者諸兄の身近に置いていただき,日常診療に少しでもお役に立てることを願います。


  2014年2月

神戸中医学研究会  

〒651-0087 神戸市中央区御幸通6-1-31 
フキ三宮ビル 5階 
TEL/FAX 078-222-0509 


問診のすすめ―中医診断力を高める

[ 中医学 ][ 鍼灸 ]

総括およびあとがき―問診から四診を構築する


 師匠である梁哲周先生がお亡くなりになる。私にとって恩人であり,未だ鍼灸界の末席に居られるのは師匠のお陰だと思っている。
 その師匠が生前教えてくれたことの1つに「問診から三診を規定する」という臨床上達法がある。
 日本は中国の臨床現場と比べ,指導教官が手取り足取り教えてくれるという環境にない。あれば幸運と言わざるをえない。きわめて少ないのが現実である。薬剤師や鍼灸師ならなおさらそうだろう。本を読み,勉強会や講習会に参加しながら,現場ではひとり,悪戦苦闘する姿が目に浮かぶ。
 脈や舌のどこまでの範囲をその概念に収めるかは,なかなかに難儀な作業といえる。舌質紅や脈細の切れ目をどことするのか?
 師匠は,その指導教官の役割を問診にもたせろと言われた。
 まず問診の精度を高める。その問診で仮説の証を立てる。その仮説の証とほかの三診を比べてみる。そこに整合性を見いだす。その実際を通した思考訓練の集積から,脈舌などの範囲規定が見えてくる。舌紅かどうかの微妙な境界線でも,問診で熱証という解が確実に得られるなら紅としてみよ,ということであり,問診を論拠にほかの三診の精度を上げる学習法である。それを繰り返せば,短期間のうちに三診が上達し,老中医のように脈診から入る診察法も可能になる。つまり本書は,常に湯液・鍼灸を含めた漢方界のレベル向上を意識しておられた師匠の意に沿ったものであり,ひとりで悪戦苦闘する臨床家のサブテキストとして,机の片隅に置いてもらえれば本望である。
 弟子として,この書を師匠の霊前に捧げたい。

『絵で見る経筋治療』

[ 鍼灸 ]

あとがき


 経筋理論は,針灸学における重要な構成要素であり,経筋病は,臨床でも多発する病症である。特に中高年以上で常見され,治りにくい痛みやしびれの多くは,経筋に蓄積した損傷が原因である。さらに経絡や内臓の疾病の多くも,経筋病が影響して引き起こされる場合がある。
 経筋の作用は,「骨格を束ね,関節を滑らかにすること」である。現代医学の解剖学や生理学による分析から,「十二経筋」とは,古代医家が示した12本の運動力線の観点から検証した,人体筋肉学・靱帯学およびその付属組織が分布する法則を総括したものであることがわかる。筋肉や靱帯の起始点およびその付属組織は,人体が活動するときに力を受ける点であり,通常の活動以外でも容易に損傷する部位である。とくにもともと保護する役割をもつ付属組織,たとえば,滑液包・腱鞘・脂肪層・滑車・子骨・副支持帯・骨性線維管や神経の出入りしている筋肉,あるいは筋膜固有の神経孔などは,まず最初に非生理的な損傷を受けやすい組織である。慢性化して治癒しにくい痛みやしびれは,経筋が何度も損傷と修復を繰り返す過程で形成された,癒着や瘢痕がおもな原因である。つまり「横絡」する経絡が機械的に圧迫されたために,気血阻滞が改善しにくくなり,長期的に津液が滲出して,凝聚,浸潤した結果である。十二経筋が関係する上記組織の分布を,臨床での検証に照らし合わせて具体的に分析して, 200余りの常見される「筋結点」としてまとめ,これを経筋弁証論治から導き出された思索方法によって,分布の法則をまとめあげたのが本書である。治療の鍵となるのは「解結針法」を用いて「横絡」の圧迫を弛緩させることである。すなわち「一経が上実下虚で不通のものは,これ必ず横絡が大経に盛加して之を不通にさせ,視して之を泄する。これを解結といわれるなり」である。
 明の張介賓は「十二経脈の外にある経筋とは何か? 経脈を覆うように営気が表裏をめぐる。そのため臓腑を出入りし次を以て相伝する。経脈は百骸と連携を取っており,そのため全身の維絡には定位置がある」と指摘している。本書は「筋結点」と解剖学の関係を直接観察して表現したため,多くの経筋愛好家が理解することに適しており,臨床上の操作の参考としてもさらに使いやすくなっている。われわれは,『黄帝内経』『経筋理論と臨床疼痛診療学』を参考に本書の基礎として,筋結点と神経・血管・筋肉・骨格の関係を図譜として編纂し,系統的に200以上の筋結点の解剖位置・効能・主治および注意事項を紹介している。本書を多くの経筋愛好家に手に取っていただき,経筋理論発展の一助になれば幸いである。

編者


『朱氏頭皮針[改訂版]』

[ 鍼灸 ]

あとがき


 今年3月,日本中国伝統医学研究院とリー針灸治療院創立20周年の際,本書の著者である朱明清先生を日本にお招きし,「朱氏頭皮針講演会」を挙行した。約120余名の中日の専門家,学者などが朱明清先生の精彩な講演を聴いた。参加者の方々から,近年得がたい盛会と称され,興奮をさそう衝撃的でユニークな講演会となった。
 私と朱先生は20数年前,ともに北京の国立中国中医研究院で臨床と教育にあたっていた。
 私はかつて中国中医研究院大学院の方薬中教授ら多くの名家について長年学習し,多くを学んだ。各家の長所を学んだ後,朱氏頭皮針には独自の境地があることを感じとった。朱先生から頭皮針を学び,その極意を会得し,臨床で良好な治療効果をおさめることができた。
 朱明清先生は,アメリカ籍の中国人で「朱氏頭皮針」の創始者である。
 1987年11月,中国の北京で,第1回「世界針灸連合会成立大会」で,朱明清先生は頭皮針をデモンストレーションされた。2名の北京軍区総合病院神経内科から,急性期(回復期)中風患者が担ぎ込まれた。1名は40日前に脳梗塞にかかった患者で,当時は左片麻痺で,筋力が1から2。15分針灸した後,ひとりで立ち上がると同時に,前へゆっくりと歩くことができた。もう1人は脳溢血になり1カ月余りの患者で,右片麻痺,筋力0。30分刺針後,軽く支えられて立ち上がると同時に,足を動かし動くことができた。これは参加した56カ国の600余名の代表を震撼させ,「神針の朱」と称賛された。
 私は1988年に来日し,1989年,後藤学園に朱先生を紹介し,講演会が催された。さらに東洋学術出版社に「朱氏頭皮針」を推薦し,出版の協力も行った。同時に,この神秘的で針麻酔後の第二次針灸革命の意義をもつ朱氏頭皮針医学を日本に紹介した。
 1989年,朱先生は台湾において,高い医術により各界を震撼させ,朱明清旋風を巻き起こした。この後,彼は1本の針をたよりに,ヨーロッパ,アメリカ,アジア,オセアニア諸国を歴訪し,畢生の力で中国針灸医術が,最も古く,最も現代的で,最も科学的な全科医学であり,現在最も偉大な医学でもあることを証明した。
 1990年,朱先生はアメリカのカリフォルニア州に定住した。現在,アメリカ朱氏頭皮針医学教育基金会の会長,「朱氏針灸神経医学センター」の首席顧問および主任医師,「朱氏頭皮針研究教育基金会」の主席などの職務についている。
 23年来,私は日本の各地で頭皮針療法を指導し,臨床各科の応用に重きをおき,いつも満足する効果を上げてきた。
 20余年の時が流れ,再び朱教授を東京にお招きし,朱氏頭皮針医学の新たな進展を教えていただいた。ここに再び,朱氏頭皮針医学の,救急,急性,重症,麻痺治療における精華のありかを知ることができた。
 「刺針に導引を加える」のが,朱氏頭皮針医学である。治療では針到,意到,気到,導引到,効果到の域に達するのを不二の教えとする。この新刊『朱氏頭皮針・改訂版』の出版は,朱先生の50年にわたる臨床の精髄を十分に表している。
 このたび,朱先生から新刊の序を書くよういわれたが,身の丈を越えており,この針の学習,教育,臨床応用や,「朱氏頭皮針」医学からの体得を少しだけお話して,あとがきにかえさせていただきたい。
 私は朱先生より,日本での「朱氏頭皮針」の講義,研究などを委託され,その責任は非常に重いと痛感している。皆さんとともに「朱氏頭皮針」が日本,人類の医学実践に貢献できることを願い努力したい。
 最後に,長年にわたり私への支持と協力,信頼を寄せていただいた後藤修司先生,兵頭明先生,山本勝司先生,井ノ上匠先生,および各界の友人に心からの感謝を申し上げたい。

日本中国伝統医学研究院院長
  リー針灸治療院
日本朱氏頭皮針研究会会長
厲 暢(リー・チョウ)
2013年4月10日東京にて

 

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