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【訃報】劉公望先生が逝去されました
天津中医薬大学の劉公望先生が,2月26日夜,逝去された。享年66。
劉公望先生は,30年以上にわたって中医学の臨床・教育に尽力され,その功績は中国国内にとどまらず,世界各国で残されている。特に日本においては,天津とのパイプ役となり,中医学の普及・教育のために力を尽くしてくださった。天津中医薬大学に留学して劉先生のお世話になった日本人は数多く,また,たびたび来日して教育・講演活動を精力的に行われたことから,日本には大勢の友人・仲間がいる。気さくで人懐っこく,どんなときでも真摯に対応してくださるその人柄は,たくさんの人に愛された。
日本の多くの針灸学校で副読本として採用されている,日中共同編集の『針灸学』シリーズでは,劉先生は草稿を作成した中国側スタッフの代表として中心的な役割を果たされた。その制作過程で,劉先生は日本における伝統医学の状況やレベル,日本人の思考パターンを熟知されていたことから,積極的な提案をしてくださった。そのおかげで,本シリーズは,従来の単純な中国書の翻訳にはない,日本の現状に合った中医学学習のための入門教材になった。
さらに劉先生は,英語・日本語・フランス語が堪能で,たびたび国際会議に出席し,学術講演を行うなど,その影響は日本・フランス・アメリカ・ロシア・イスラエル・ブラジルなどの各国に及んだ。ドイツにも長期滞在され,ドイツにおける中医学普及でも大きな役割を果たされている。
●劉公望先生のプロフィール
1943年北京生まれ。68年天津中医学院卒業。83年から2年9カ月,WHOの交換学者として京都大学に留学。86年天津中医学院助教授,94年同大学教授,2000年中医学部部長。主な著書には『中西医結合問診手冊』『中医学の基礎』『針灸学』[基礎篇][臨床篇][経穴篇]『傷寒論方証研究』『Fundamentals of acupuncture and moxibustion』など多数ある。
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