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生薬 アーカイブ

2005年09月17日

地黄のお話

2005.9.16に東京臨床中医学研究会で定例会があり、地黄が取り上げられました。
臨床に役立つ生薬のお話,ちょっとご紹介します。

地黄には、「生地黄」と「熟地黄」があり、中医学をやっている先生方はあたりまえのようにそれぞれを使い分けています。
「生地黄」は地黄を乾燥したもの、「熟地黄」は蒸してから乾燥したもの(酒で煮てから調整することもある)です。
ちなみに教科書によれば、前者は甘苦寒、清熱涼血・養陰生津。後者は甘微温、養血滋陰・補精益髄と書かれています。

しかし,『神農本草経』には乾地黄があるのみで,蒸して乾燥する地黄は記載されていません。
蒸したものが使われるようになったのは,700年代以降だということです。
そして『神農本草経』には,「地黄は生のものがもっともよろしい」と書かれています。

生の地黄は白色であり、天日乾燥しただけのものは薄い茶色に仕上がります。
いっぽう日本で出回っている地黄はというと,みな真っ黒な色をしています。
じつは日本薬局方の規定に「色は黒」としっかり決められているのです。

そこで生地黄を,『神農本草経』にあるように,なるべく生に近いもので使いたい場合に,以下の地黄を選ぶ方法があります。
栃本天海堂では「生干(きぼし)地黄」という商品を出しています。また,ウチダ和漢薬からは「中式(ちゅうしき)地黄」という,火力乾燥と天日乾燥を用いて調整した褐色〜紫褐色の地黄が出されています。

使い分けされている先生の,臨床での手応えをぜひお聞きしてみたいですね。

2005年12月09日

『中薬の配合』を読んで

a64c42ed.jpg南京研修旅行に参加された先生が,小社の新刊を読まれて,うれしいご感想をお寄せくださいました。

「貴社が最近出版された『中薬の配合』の著者の博覧強記ぶりには驚かされました。
まさに教科書中医を吹き飛ばす勢いです。
現在にはなかなか応用が難しい部分も多そうですが、私の中医の思考をインスパイアする部分は多々あり参考になりました。
これからも同様の出版を継続していただく様お願いします。」

この本は,中国で特に大学院生レベルの学生さんに愛読され,ベストセラーとなって再版を重ねている話題の書『中薬配伍運用』(丁光迪著)の日本語翻訳版です。
中薬を深く学ぶためにおすすめしたい一冊です。

中医を学ぶみなさんに,「この本はよかったよ」という情報をお知らせしていきたいと思います。
これからも,ぜひご感想をお寄せください。

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