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東京女子医大東洋医学研究所で漢方未病ドック

健康チェックのために,人間ドックを利用する人の数は増加し,その種類も多様化している現代。東京女子医大東洋医学研究所では,今年7月頃に「漢方未病ドック」を開始する予定だそうです。

この「漢方未病ドック」では,脈診・腹診などの診断法,および血瘀・気虚といった東洋医学的な診断所見を用いて未病を捉え,必要ならば東洋医学的な治療も行っていくのだそうです。

漢方未病ドックの目指すものは,次の通り。
・本人の健康への自覚を促す。
・生活改善を通した健康増進
・抗加齢の達成
・漢方医学的アプローチの有用性の検討


近年では,病気を治療する医学だけでなく,予防医学こそ重要であると叫ばれるようになり,国も予防医療重視の方針を掲げています。

日経メディカル3月号には,東海大東京病院に6月から「抗加齢ドック」が開設される予定だという記事が載っていました。抗加齢医療とは,ホルモン補充やダイエタリーサプリメントの摂取,運動などで疾病を防ぎ,若さを維持する予防医療のことだそうです。東海大では,大学には予防医療の研究実施が求められるであろうとの予測と収益面での期待から,流れを先取りして抗加齢ドックの開設に踏み切ったようです。

東京女子医大の「漢方未病ドック」への取り組みもとても先進的なものですが,こちらはあくまで東洋医学的な思想にもとづく養生を目指しているところが,東海大の抗加齢ドックとは大きく異なっています。さらに,漢方未病ドックでは,東洋医学的診断とあわせて西洋医学的な動脈硬化度の測定なども取り入れ,相互の相関についても研究していきたいそうです。

日本の東洋医学を取り巻く環境に,新たな変化が起こっているようです。

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2006年04月18日 23:29に投稿されたエントリーのページです。

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