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英国が中成薬を「封殺」
2014年4月30日より未登録の草薬製品は全面的に販売禁止
『英国僑報』の報道によると,英国医薬品健康製品管理局(Medicines and Healthcare products Regulatory Agency:MHRA)はこのほど,国民がより安全に草薬製品を購入・使用できるようにするため,2014年4月30日から,未登録の草薬製品は全面的に販売禁止とすると発表したという。現在,中成薬は一製品も登録に成功していないため,現在英国市場で販売されている中成薬の在庫は,来年4月30日以降はすべて販売できなくなり,消費者は,正規ルートでは中成薬を購入できなくなる。
EUは2004年に「EU伝統植物薬登録手順指令(Directive)」を公布し,製薬企業は,申請以前に最低30年以上の使用実績があり,さらにEU地域においても15年以上の使用実績がある製品に限り,簡易登録を済ませた後,薬品として正式にEU市場に進出できると定めた。
英国では,2011年からEUの規定が実施され,中成薬製品は登録証を得ないと市場で販売ができず,登録がかなわなかった中成薬は,在庫を完売もしくは品質保持期限の終了後は二度と販売できない。
MHRAのオフィシャルサイトに掲載されている登記登録表によると,現在300種以上の草薬製品が登録を済ませて販売許可を得ているが,中成薬は一製品も登録に成功していない。
英国中医師学会の馬伯英会長は,中医界が中成薬の登録を望まないわけではなく,申請料金が高額であるため,中薬企業が中成薬の登録ができないのだと語る。
馬会長は六味地黄丸を例に挙げ,6種類の成分はそれぞれ鑑定やメーカーのGMP(製造品質管理基準)などの認証が必要であり,申請料を合わせると,最低でも合計100万ポンドかかり,そこで初めて承認を得られる可能性がでてくると話した。そして,現在六味地黄丸の英国における年間販売額は1万ポンドにも届かず,登録コストに遠く及ばないという。現在英国で販売されている中成薬は100~200種類あるが,仮に1種類ごとに高額な登録料金が必要となると,到底一般の中医薬企業が受け入れられる額ではない。
馬会長は,「以前,MHRAは,2011年4月末以前であれば,中成薬を輸入し,診療所に販売して,品質保持期限終了前まで使用することを許可していた。このため,相当量を購入した中医師が多く,短期間内で使い切ることは不可能であり,このような政策の変更は,必ず英国中医薬業界に巨大な損失をもたらす」と述べる。
英国中医師学会の王友軍副会長も,診療所の営業収益のうち,中成薬が非常に大きな割合を占めていることが多く,今年の年末から来年にかけて,中薬店倒産の大きな波が必ずやってくるはずだと指摘した。
[中国中医薬報2013.12.02]
翻訳:平出由子
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