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H7N9型鳥インフルエンザ大流行の可能性低い
専門家が中医の五運六気理論をふまえて感染状況を推測
国家科学技術重大プロジェクトである,「中医の疫病予測・予備警告の理論・方法・応用研究」をテーマにしたプロジェクトチームの責任者である顧植山氏は,中医の五運六気理論による分析にもとづき,今年は大規模感染が発生する可能性は高くないと指摘した。
顧植山氏は,運気理論によれば,今年,癸巳年の総合的な運気条件は穏やかであり,「三年化疫」や「昇降失常」など疫病をもたらす要素もないため,今年に大規模感染が発生する可能性は高くないと予測できる指摘した。現在発生しているH7N9型鳥インフルエンザは,段階的な運気の乱れに属し,厥陰風木の気が過度になったことにより現れた勝復(運気学説の専門用語で,先に限度を超えた勝気が生じると,必ず後にそれに相反する復気が現れて報復することを指す)の変化であって,非時の気(季節に反した異常な邪気)には属さないという。過去の歴史的な感染状況を分析してみると,段階的な運気の乱れが招いた感染の多くは,さほど大規模には至っていない。このため,H7N9型鳥インフルエンザが,SARSのような大規模感染に発展する可能性は高くない。風性の疫病は,一般的に迅速に発生し迅速に消滅するものであり,持続期間もさほど長くはない。
気象現象を観察すると,今回のインフルエンザの運気・病機は,風・火・寒・裏熱などと関わっている。3月上旬は気温の上昇が早く,また気温も例年に比べて高かった。また強い砂嵐が多く発生しており,これは運気理論によると,厥陰風木の気が至って,それが過度になったために現れた風燥火熱の勝復である。さらに3月後半になると,やや強い寒の戻りが現れ,寒流が頻繁に発生したために,気温変化の起伏が激しくなった。
顧氏は,最近の臨床症例の症状をみると,カゼと肺炎患者の証候にそれぞれ違いがあり,また変化も多いため,さらに臨機応変に対応する必要があると指摘する。また同氏は,H7N9型鳥インフルエンザは重大な感染症には属さないが,初めて型が変化し,一般的なインフルエンザとは異なる「識別しにくい疾患」であることを喚起している。まずは五運六気理論をふまえて予防と治療を行い,一刻も早く中医をH7N9型鳥インフルエンザの予防と治療に参加させるとよい,と語る。
中国中医薬報[2013.4.8]
翻訳:平出由子
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