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針灸の不合理な料金体系を打開へ

  針灸の料金体系は,長年にわたり針灸の発展を妨げてきた。4月5日に国家中医薬管理局が行った第1回「皇甫謐故里拜祖大典」の記者会見で得た情報によると,現在甘粛・北京などでは,すでに医療制度改革により針灸の料金体系の調整を探索しており,中国針灸学会でも,針灸の合理的な料金体系をテーマにした研究を行っているという。これにより,病種や医師の技術のよしあしにかかわらず,針灸の料金は一律4元(約52円)という奇怪な現状を抜け出せる可能性がでてきた。
  甘粛省中医薬管理局の甘培尚局長は記者会見の席上,「1週間前に,甘粛省発展改革委員会(発改委)・人社庁・財政庁・衛生庁が,一部の医療サービスの価格にたいする論証を行い,文書を提出した。甘粛省は,国家発改委の定価項目の原則をふまえ,甘粛省の実情を考慮に入れて,大型設備による検査と消耗品など25の高価な医療サービスの価格を引き下げる(平均引き下げ幅は30~40%)一方で,手技による整復術・針灸・推拿など,27種の中医療法の料金を引き上げる(平均で倍増)ことによって,病種による料金設定や国の医療費全体の抑制という要求にかなえた」と話した。さらに甘局長は,不合理な価格設定は中医の発展を妨げる要素であり,高い技術を必要とする治療行為の価格が低いということは,市場の発展をも妨げると話した。
  また,中国針灸学会の会長で,中国中医科学院の常務副院長である劉保延氏は,「現在の針灸の料金設定が,針灸の発展を妨げている。医療制度改革に伴い,病種や治療項目による料金設定から改革を進める必要がある」と話した。中国針灸学会は,中国中医科学院の支援を受け,針灸の合理的な料金設定に関する研究や調査研究を行っており,関連部門とともに,いかに合理的な料金設定を行い針灸の発展を促進するかを協議しているという。同研究は,数カ月後に結果が出るという。
  今年の8月6~8日に,甘粛省平涼市霊台県で,針灸の祖である皇甫謐の大型文化芸術祭が行われ,同時に『針灸甲乙経』学術思想国際フォーラムや針灸の科学普及活動が行われる。これは,2010年11月に中医針灸が無形文化遺産リストに登録されてから,中国針灸学会が針灸の伝承・発展・保護などを約束した一大プロジェクトを実現させるため,政府・教育機関・学会など広範囲にわたる支持を得て行うものである。


中国中医薬報[2012.04.09]


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