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2011年下半期の中成薬 対EU輸出が大幅減少

  2011年,中国の中薬の対EU輸出は4億1,600万ドル(約350億円)であり,前年比66.26%の増加,輸出全体量・金額ともに増加しているが,中成薬の対EU輸出量はやや減少した。
  2004年にEUが発表した「伝統草薬薬品指令」(以下「指令」)は,中国の中成薬の対EU輸出に直接的な影響を及ぼした。「指令」では,EU市場で販売される中成薬はすべて,新規定に従って2011年4月30日までに登録を完了し,さらに販売許可を得なければ販売できないと定めている。EUは,世界最大級の植物薬品市場の1つであり,シェアは全世界の植物薬品市場の40%以上に達している。同指令の施行以前は,EU市場の中草薬は,大多数が食品・保健品・植物薬の原料として流通していた。現時点で,EUで正式に登録された中薬は1つもない。2011年,中国の中成薬の対EU輸出は1,332万ドル(約11億円)で,輸出量は前年比13.5%,輸出額は6.4%の減少となった。
  英国の販売企業が,指令の施行以前に大量に買いだめをしたことから,中成薬の上半期の対EU輸出は増加した。しかし,2011年4月30日に「伝統植物薬登録手順指令」が施行されてからは,同指令が中国の中成薬の対EU輸出に及ぼすマイナス影響が顕著となり,6月から輸出額が前年比で大幅に減少し,最大下げ幅は50%に達した。
  2011年, EUに中成薬を輸出した中国企業は176社あり,このうち民間企業は122社,輸出額は31.77%を占めている。一方,国有企業は43社だが,輸出額は55%を占めている。輸出企業の省・市は,広東・上海・北京・天津・黒龍江・安徽が中国の中成薬の主要対EU輸出元となっている。また浙江・上海など少数の省・市を除いては,大多数の省・市で,中成薬の対EU輸出量が前年比で減少している。
  一部の中薬企業は,登録費用が高い・市場規模が小さいなどの問題に直面しているものの,EU市場に対する自信を失っていない。蘭州仏慈は2011年7月に,スイスの薬品管理局に中成薬の登録申請第一号を提出した。同社の当帰丸は,2012上半期にEUでの伝統薬登録の回答を得られる。中成薬のEU登録に,新たな門戸が開かれるかもしれない。

(霍衛:中国中医薬保健品輸出入商会)


中国中医薬報[2012.03.02]
翻訳:平出由子


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