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国務院常務会議で医療制度改革の重点目標を示す
国務院の温家宝首相は2月22日,国務院常務会議を開き,第12次五カ年計画期間において進展させるべき医療制度改革の内容について検討した。
同会議では,「中国共産党中央国務院医薬衛生体制改革の深化に関する意見」および国務院の「医薬衛生体制改革の短期重点実施法案(2009-2011年)」を,2009年3月に発表して以来,医薬衛生体制における5項目の重点的改革に大きな進展があったと指摘。その5項目とは以下の通り。
① | 都市と農村の全住民をカバーする基本医療保障制度の枠組みの基礎が確立。都市労働者基本医療保険,都市住民基本医療保険,新型農村協力医療保険という3つの基本医療保険の加入者数が13億人に達し,保険加入率は95%以上にまで高まった。保障範囲は,重症疾患から外来対応の軽症にまで及ぶ。 |
② | 国家基本薬品制度の基礎が確立。政府は,末端医療機関すべてにおいて,基本薬品の入札制度の導入を実施。 |
③ | 都市と農村すべての末端医療機関に適用する衛生サービスシステムが基本的に確立。2,200箇所以上の県レベル病院と,33,000箇所以上の都市と農村の末端医療衛生機構が整備され,総合医制度の確立に向け始動。 |
④ | 基本公衆衛生サービスの均一化レベルが顕著に向上。都市と農村の住民に対する無料予防接種や健康カルテなど10種の国家基本公衆衛生サービスが,国の重大公衆衛生サービスプロジェクトとして全面的に実施。 |
⑤ | 公立病院の試験的改革が積極的に推進され,政事分離,管理運営の分離,医薬分離,営利非営利の分離などの体制機構を新たに設置し,それが着実に展開。 |
また同会議では,現在医療改革は大きな矛盾と問題に直面しており,特に体制や仕組みなど,根本的な問題が未だ解決されておらず,これらの問題解決のためには,組織のリーダーをさらに強化し,継続して改革を進展させなければならないと指摘した。第12次五カ年計画の期間中,中国の国情にあった基本医療衛生制度の確立を核心とし,以下の3点において,大きな壁を突き破らなければならないとした。
① | 全国民をカバーする医療保険システムの構築を促進する。医療保険の適用範囲を拡大し,農民工・公共組織以外の従業員・フリーターおよび倒産企業の退職者や,業況が厳しい企業の労働者の保険加入を重点的に促進する。医療保険の保障内容を充実させ,2015年までに,都市住民基本医療保険と新型農村協力医療保険における政府の補助率を,一人当たり360元以上に引き上げ,3つの基本医療保険の入院費用の給付率を,すべて75%前後にまで引き上げる。また,医療保険の給付と医療救助制度を整備し,商業健康保険を積極的に導入する。 |
② | 基本薬品制度と末端医療衛生機関における新しい運営体制を確固たるものにする。基本薬品制度の実施範囲を徐々に拡大し,村営の衛生室や非政府組織が運営する末端医療衛生機関にまで浸透させる。村営の衛生室,農村の衛生院,地域(社区)の衛生サービス機関の基準の確立を継続的に支援し,末端医療機関で従事できるよう15万人以上の総合医を養成する。 |
③ | 公立病院の改革を積極的に推進する。補償体制の改革を推し進め,「以薬養医」(編集部注:薬品の収益によって病院経営を維持する構造)という現在の構造を打破して,医業と薬品の分離や,管理者と実務者の分離を推進する。近代的な病院管理体制を構築し,診療行為を規範化して,医療スタッフの積極性を引き出す。2015年には,県レベルの公立病院の段階的な改革目標を実現させ,都市の公立病院改革を全面的に実施する。 |
以上の3項目の改革を成功させると同時に,これに付随する関連分野の改革も統一的に推進する。基本公衆衛生サービスの均一化を継続的に推進し,1人当たりの基本公衆衛生サービスの費用基準を徐々に向上させ,2015年には40元以上になるようにする。さらに人材教育と情報化の確立を加速し,薬品の製造および流通分野の改革を推進して,医療サービス業の発展を積極的に促す。各地方の実際的な情況を積極的に探索してそれを試行し,政策を絶えず改善して,改革の経験を蓄積する。医療衛生サービスと品質の監督・管理,および医療道徳や風紀の構築と業界の自律性を強化する。関連する法律・法規を策定し,業界・人員・技術・設備の参入および退出体制を完全なものにする。
さらに会議では,医療機関にたいする社会資本の参入基準を緩和し,社会の医療資源を拡大して豊富にさせることを求めた。有力企業・慈善機関・基金会・商業保険機関などの社会的な力や,海外の投資家が医療機関の運営に携わることや,技術のある有資格者が,法に則り個人診療所を開くことを奨励する。政策の実行をさらに一歩進め,就業環境を整えて,各種社会的資本家が非営利の医療機関を運営する際は優先的にこれを支援する。
中国中医薬報[2012.02.23]
翻訳:平出由子
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