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中医四診測定器 有人火星探査計画実験を終える
ロシアの宇宙飛行士はこのほど,「マーズ500」(*)実験の詳細な状況を発表。そのうち,中国グループが実施した「長期閉鎖環境における人体の中医弁証研究」など3項目の実験は,いずれも初期の目的を達成した。今回の実験によって,宇宙飛行における医学研究と工学開発の経験を蓄積できたうえ,さらに中国の有人宇宙飛行の国際参加を向上させるうえでも重要な意義があった。
今回,中国グループの実験項目を総指揮した中国有人宇宙飛行工程宇宙飛行士系統・副総指揮監の李螢輝氏は,「中医弁証の研究は,おもに中医の望・聞・問・切という診療手段を活用し,長期間閉鎖された環境下において人体の機能と生命活動の法則性を探るものでした。今回われわれは,現代化された中医の診療手段である中医四診測定器(中国語では中医四診儀)を用いて,定期的にクルーの舌象・顔色・脈象・症状などのデータを収集しました。そのデータを船外に送信し分析を行い,人体活動の法則性に対する弁証の意義を考察しました。今回の実験が,有人宇宙飛行中のクルーの健康・医療の問題の解決に向け,新たなみちすじを提供できることを望んでいます」と述べた。
マーズ500はロシアによって組織され,複数の国が参加する国際的な大型実験プロジェクト。今回実験に参加した6名のクルーは,完全に閉鎖された施設のなかで520日間過ごし,100以上の実験項目を成し遂げた。今回の実験に使用された中医四診測定器は,道生医療と上海中医薬大学が合同で研究・製作したもの。マーズ500終了後,同器機はしばらくロシアに留め置かれ,さらに1カ月間の船外実験を行う予定。
【編集部注】
*マーズ500:有人火星探査計画のシミュレーションとなる長期閉鎖実験。2010年6月3日~2011年11月4日の合計520日をかけて実施された。モスクワのロシア生物医学問題研究所(IMBP)内に設置された閉鎖施設のなかで,最初の250日は火星への飛行,その後の30日は火星での滞在,残りの240日は地球への帰還を想定して行われた。実験には,ロシア人3名,フランス・イタリア・中国から各1名の計6名のクルーが参加した。
中国中医薬報[2011.11.17]
翻訳:平出由子
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