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中医薬標準化戦略フォーラム開催――王国強「標準で中医薬の科学的発展を促進」
国家中医薬管理局と国家標準化管理委員会が共同で主催した,「中医薬標準化戦略フォーラム」が8月24日,河北省北戴河で開催された。同フォーラムの席上,衛生部副部長・国家中医薬管理局局長の王国強氏は,「中医薬の標準化業務の重要性・必要性・緊迫度を十分に理解し,標準により中医薬の科学的発展を促進する。『6項の基本原則』をしっかりと把握し,中医薬の標準化作業を推進する」と指摘した。同フォーラムには,国家標準化管理委員会の石保権副主任,国家中医薬管理局の于文明副局長や,中国工程院院士の王永炎氏らも出席した。
王国強氏はまず,中医薬の標準化作業の重要性・必要性・緊迫度を十分に認識するべきだと指摘。現在,国民の中医薬に対するニーズや,中医薬の学術的レベルが絶えず向上していることに伴い,科学技術を支えとして,確実な治療効果のある臨床経験や中医薬の学術的発展に対する共通認識を標準により確立させることが,中医薬事業の科学的かつ秩序ある発展を推進すると指摘した。これと同時に,中医薬発祥の地である中国は,現在崩壊傾向にある国際情勢において,中医薬に対するニーズが国際的な高まりをみせているこの歴史的なチャンスをしっかりとつかみ取り,上昇気流に乗るべきだとも話した。
また王氏は,中医の個別化治療と標準化との関係をどのように考えるかについて,「中医の弁証論治という個別化治療と標準化は,けっして矛盾するものではない。標準とは,多数の個体に対する総括的かつ共通の規則である。両者の関係を良好に保つためには,個別的であるために規範化を行わないという道をとるべきではなく,また標準化により中医の個別化治療という特色を失うべきでもない。必ず適切な度合いを把握しなければならない」と言及した。
さらに王氏は,国民の健康に対するニーズに応えるという点を,中医薬の標準化作業の根本的な出発点かつ最終目的としなければならないと強調した。中医薬の標準化は,「整体思想」「系統的な運用」「三観(微観・中観・宏観)の相互作用」を遵守しなければならず,特に国民へのサービス提供を第一に考えなければならない。このほか,中医薬の標準化は,衛生・中医薬事業の発展および科学技術の開発や,国家の教育・文化・貿易・国際標準化戦略に寄与しなければならない。
今後の中医薬の標準化作業について王氏は,以下の「6項の基本原則」を提議した。
①「先易後難,先簡後繁」
まず容易でシンプルな標準から策定し,自信をもって標準化の道を探索する。
②「先内後外,以内促外」
まず国内の標準化作業を完璧に行い,中医薬の国家標準と業界標準の応用を推進して,同時にこれらを国際標準に転化させる。
③「先文後標」
弁証論治は疾患治療のみに留まらず,中国文化において宇宙天体・自然環境・人類の健康を知る哲学的思想を体現するものである。このため,中医薬の標準を推進する際には,必ず中国文化と結合させなければならず,まず文化を推進する,または文化と標準を並行して推進させなければならない。
④「先薬後医,医薬結合」
現在,中薬標準に対する国際的ニーズが拡大しており,その影響も大きくなっている。このためまず中薬標準から着手し,徐々に中医と中薬標準の結合を実現させて,歩調を合わせて推進していく。
⑤「先点後面」
完成を急いではならず,まずいくつかの突破口を選択し,そこから深く細やかで全面的なものへと発展させていく。国際化への経路を探索し,規範的な「点」を通じて共通認識という「面」へと拡大させる。
⑥「先行業後国家」
まず業界内で標準策定を研究・実施し,たゆまぬ改善を重ねてから国家標準へと応用・推進する。
フォーラムの席上,国家中医薬管理局の各司・国家標準化管理委員会および中華中医薬学会などの機関と関連部門の責任者は,中医薬の標準化作業の国内・国際傾向や,戦略研究および作業の進展状況について報告を行った。このほか,一部の省(区・市)の中医薬業務主管の庁・局長,中医薬高等教育機関の責任者や,中医薬標準化分野の専門家ら100人以上が同フォーラムに参加した。
『中国中医薬報』(2011年8月25日)
翻訳:平出由子
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