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抗放射線作用をもつ魚腥草(ドクダミ)

  中医学・漢方でよく使われる魚腥草(ドクダミ)は,ドクダミ科の植物で,日本では重薬(じゅうやく),十菜(じゅっさい),蕺菜(しゅうさい)などと呼ばれる。茎や葉をこすると魚くさい匂いがするので,中国語では魚腥草とも呼ばれる。

  中医学では,魚腥草は,辛味・微寒性で,肺経に属し,清熱解毒・消癰排膿・利尿通淋などの効能をもつ。おもに肺癰や肺熱の咳,瘡癰腫毒などの症候で使われる。現代の薬理学的研究では,魚腥草には様々な精油やSodium Houttuyfonateなどの有効成分がある。特に黄色ブドウ球菌・肺炎双球菌などの細菌のほかに,インフルエンザウイルスやレプトスピラなどに強い抑制力をもち,白血球やマクロファージを活性化し,免疫力を高めることができる。さらに,利尿作用や咳止め,抗喘息作用,細胞組織の再生を促進し,抗癌作用もあるといわれる。

  最近の研究では,魚腥草に抗放射線作用があることもわかってきた。放射線を浴びやすい航空機の乗務員や,レントゲン技師,パソコン操作に携わる人たちも,魚腥草を茶代わりに飲むと身体へのダメージを防げるようだ。

  魚腥草のお茶は,新鮮な魚腥草を採取してきて,しっかりと水洗いし,沸かして飲むとよい。ただし,長時間煮出す必要はない。抗炎症作用のある有効成分が揮発してしまうからだ。一般的に,ひとつまみ程度の魚腥草を冷水に浸し,強火で沸騰させた後,2分間煮詰めるだけで飲めるようになる。また,煮詰めた魚腥草はすぐに捨てず,再度水を加えて煮詰める。このようにすると3回は煮出すことができる。もし,煮詰めることが難しければ,熱いお湯に入れるだけでもよいだろう。

中国中医薬報[2011年4月4日]より抜粋  藤田 康介)

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