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訃報 柯雪帆先生が逝去されました
現代中国の『傷寒論』研究の第一人者で,上海中医薬大学の柯雪帆教授が,2009年11月10日お亡くなりになりました。
柯雪帆先生は、1927年生まれ,江蘇省常熟のご出身で、17歳から中医学を継承され、1962年に上海中医学院(現・上海中医薬大学)を卒業されました。新中国建国後の第1回目の中医薬大学卒業生です。その後、上海中医薬大学付属曙光病院で医師として勤められ、1964年から上海中医薬大学で教鞭をとられました。
1978年に傷寒温病教研室副主任、1983~1994年に傷寒温病教研室、傷寒論教研室主任を歴任され、1997年に病のため大学を退職されましたが、2005年には上海中医薬大学名師工作室指導教官として若手人材育成に携わっておられました。60年におよぶ中医学との関わりの中で、日本だけでなく、シンガポールや台湾にも学術交流に出られており、『傷寒論』研究で多くの業績をのこされました。
ご自身の経験をもとに、1980年代に出版された『医林掇英』は、中国国内で高い評価を受け、日本でも『老中医の診察室』(東洋学術出版社)として邦訳版が出版されました。2008年6月には病気と闘う中で『傷寒論臨証発微』を出版され、最後まで『傷寒論』に情熱を注がれました。そのほかにも,柯雪帆先生は漢詩の創作にも傾倒され、1944~2007年までにご自身で作られた漢詩約400作を『雪帆詩稿』にまとめ、出版されました。 ご冥福をお祈り申し上げます。(2009年1月記・藤田 康介)
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