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朱丹渓の故郷で地元に伝わる民間処方を収集
浙江省義烏市の赤岸鎮は金元四大医学者の一人である朱丹渓の故郷として有名で、人口4.8万人の山中にある小さな街だ。ここで、2008年8月より、地元に伝わる民間の中医学の処方を集める活動を行っていて、これまでに310種類あまりの経験処方や膏方、単味の処方が集められている。
赤岸鎮エリアは、朱丹渓に関する史跡が多く残されていて、地元住民の間でも中医学の伝統的な治療方法が多く伝わっている。このため、赤岸中心衛生院では、地元政府の支持も得て、民間に散らばっている処方の収集を行ってきた。これまでに、処方だけでなく、『秘本丹方大全目録』など書籍も発見された。 こうした処方は、小児科・外科・婦人科・男性科・耳鼻咽喉科・皮膚科など臨床各科に及び、現在でも活用できそうなものが少なくないという。
このうち、「青木香」など5つの生薬を混ぜたものは「ぎっくり腰」に効くとさる。「桑樹果」の煎じ薬は、「こむらがえり」の治療に使われ、しもやけの治療には、とうがらしを浸した白酒を患部に塗ることで治療される。こうした民間の治療法を集めてきて、専門家による検証が行われ、安全でかつ効果があるものには、実際に広く活用されるほか、提供者には謝礼が出されるという。
中国では都市の近代化により、伝統的な治療法や処方が徐々に消えつつある。そんな中で中医学の伝統を守ろうとする動きが各地で出始めている。(2009年6月記 中国中医薬報6月12日記事より 藤田 康介 整理)
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