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今度は茵梔黄注射液で新生児1人死亡
中国衛生部は、山西太行薬業股份有限公司が製造した中薬注射剤『茵梔黄注射液』に関して、陜西省志丹県人民医院に入院していた新生児4人で副作用と見られる症状が発生し、このうち生後9日の新生児が死亡していたことを明らかにした。衛生部では、各地の病院に対して同じロット番号の茵梔黄注射液の使用を禁止するよう通知を出した。
茵梔黄注射液も、中国で臨床上よく使われる中薬注射剤の一つで、主に清熱・解毒・利湿・退黄などの作用がある。肝胆湿熱証などによる黄疸や、胸脇の痛み、悪心嘔吐、小便黄赤などの症状で使われる。特に、急性・慢性肝炎で上記の症状を訴える場合は、適合していると言われている。主成分は茵陳と梔子、黄芩、金銀花からの抽出物で、アンプルは10ml。一般に、10%の葡萄糖250~500mlで希釈し静脈点滴で使われる。症状が軽い場合は筋肉注射されることもある。説明書に書かれている副作用は、アレルギー性ショック・呼吸困難やチアノーゼ、喘ぎなどが挙げられている。
山西太行薬業股份有限公司によると、10月16日に山西省薬品副作用反応観測センターから副作用による死亡の通知を受け、翌17日には市場に出回っているすべての茵梔黄注射液の使用・販売を停止する通知を出した。また、会社側でも製品の品質検査を緊急に再度行ったが、特に問題は無かったという。
中国衛生部の調査では、茵梔黄注射液はすでにアンプル26万本分が河北省・山西省・吉林省・黒竜江省・山東省・雲南省・陜西省・寧夏自治区などの病院で流通していることが分かっている。(2008年10月記・藤田 康介)
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