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上海市で新しい目の体操、小中学生に普及も
現在中国では、子供の近視増加が問題になっていて、その予防方法として様々な取り組みが行われている。例えば、北京市では『2008年の新版眼保健操』が導入された。上海市の場合、小学生で視力に問題を抱えている児童は42.5%、中学生で73.9%、高校生になると81.1%となり、全国平均よりも10ポイントほど高い。これまでも眼の体操は学校教育で採用されていたが、さらに効果的な方法の研究が進められていて、中医学を活用したこの体操が、近視予防に効果があるか期待される。
目下、上海市では新しい目の体操プログラムを作成中で、現在上海中医薬大学附属岳陽中西結合医院の眼科で編さん作業が行われている。すでに、市内の一部の小中学生に対してテストが行われていて、好評のようだ。上海中医薬大学ではこの研究成果を「青少年の近視予防」に関する中医学の特色治療法として普及させる。
岳陽中西医結合医院の眼科では、これまでも子供の近視の治療に「中医経穴按摩」を行ってきた。中には、0.5程度だった視力が1.0にまで回復したという症例も少なくない。2008年の夏休みには、2000人の小中学生がこの治療を受けた。こうした活動が父兄にも知れ渡り、病院へ相談に訪れる人も少なくない。
この治療方法は、例えば1日2回にわたって100回耳垂などの経穴を自分で按摩することにより、眼の疲れをとり、近視の予防に効果があるという。耳垂のちょうど真ん中ぐらいに位置する眼穴では、清醒頭脳・眼明神足などの効能がある。そのほか頭や眼、耳、口、鼻などと関係のある風池穴の按摩や全身の陽経絡を統率する頭部督脈の按摩なども取り込まれた。
こうした経穴を、子供に正しく教えることで、将来は中医学の有用性を子供たちに伝えたいという目的もあるほか、子供を通じて、父兄にも実践してもらいたいとしている。(2008年10月記・医学博士・医師(中医学)藤田 康介)
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