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中薬に慢性腎不全患者の栄養状態を改善する作用

 山東省青島市の海慈医療集団の于俊生主任医師らのグループが、「健脾補腎と和解泄濁法による慢性腎不全の栄養不良の研究」において、健脾補腎、和解泄濁法での生薬治療が尿毒症による毒素の量を低減し、栄養不良の状態を改善する働きがあることを示し、2007年度の中華中医薬学会の科学技術2等奨を受賞した。
 慢性腎不全の患者では、栄養不良の問題がよく見られる。透析技術の発展により、慢性腎不全の急性併発症で死亡するリスクは下がっているが、中国ではまだ栄養不良によるQOLの低下、死亡率の上昇がよく見受けられる。また、慢性腎不全患者の腎機能の悪化、重篤な貧血、抵抗力の低下、炎症の発生などの併発症は、栄養不良とも少なからず関係がある。

 この研究では、慢性腎不全の病因病機を、脾腎両虚・三焦不利・湿阻血瘀・濁毒留蓄にあるとし、このうち、三焦(少陽)不利が慢性腎不全による栄養不良と関連があるとした。また、痰・瘀・毒の相互作用により、慢性腎不全の濁毒を再認識している。そこで、健脾補腎と和解泄濁法によって栄養不良改善の問題を動物実験・臨床研究で証明した。この結果、尿素窒素・クレアチニン指標の減少、栄養状態の改善、食欲増強、タンパク質・脂質代謝異常の改善がみられたとしている。研究結果はすでに『中西医結合腎臓病雑誌』や『中国臨床栄養雑誌』などに報告されている。(2008年8月記・中国中医薬報・医学博士 医師藤田 康介

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