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益気活血方が悪性腫瘍患者の放射線治療に有効

 中国人民解放軍第251医院の王炳勝主任医師のグループは、中薬の益気活血方の併用が、悪性腫瘍患者の放射線治療における副作用の低減に効果があるという研究結果を発表した。この成果は、2007年度の中華中医薬学会の一等奨を獲得するなど、中国でも注目が集まっている。
 放射線治療は、いまや末期がん患者も含めて欠かせない治療方法となっており、約70%のがん患者に使用されているといわれている。しかし、正常な組織・器官に対しての損傷も少なくないため、場合によっては治療が継続できないこともある。さらに、その副作用は患者のQOL低下にも大きな影響があるといわれている。

 王主任医師らのグループは、「益気活血方防治腫瘤放射損傷的臨床応用研究」で、1400人の患者を無作為にグループ分けして、それぞれ異なった時期・異なった組織に放射線をあて、益気活血方をメインに養陰清熱方を組み合わせた中医学による介入治療を行った。
 この結果、生薬を使ったグループは、放射線に対する耐性が高められ、治療に使用する放射線の強さを平均で4.0Gy上げることができた。さらに、腫瘍の転移や再発も防ぐことができた。また、骨髄抑制の発生率も生薬を使わないグループの61.6%から36.1%に低下させることに成功し、これらは感染率の低下に関係があるとしている。そのほかの効果として、肺の繊維化・炎症の軽減、放射能性の食道炎・胃炎などの消化器疾患の低減もある。
 
 これらの研究成果は、『中華放射医学と防護雑誌』や『中国中西医結合雑誌』に掲載され、さらに2本の論文がMedlineに収録されている。(2008年8月記 中国中医薬報など多数  医学博士・医師(中医学)藤田 康介 整理)

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