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中国国家中医薬管理局、小袋入りの生薬普及を目指す
現在、中国の一部の病院では、生薬を単位グラム(10グラム、20グラムなど)で袋に小分けにして、患者に出す試みが行われている。中国国家中医薬管理局では、中医学の専門家を集めて、これまでの実施状況について検討した。
会議の中で、小袋に生薬を入れることにより、薬の量が正確になり、さらにチェック体制が可能になり、生薬の無駄を省くことができるとしている。これまでは、「適当」に1日単位の薬の量を分配していたため、どうしても1日単位で生薬の量の違いが生じていた。また、それぞれの生薬を袋詰めにすることにより、患者にとっても生薬を識別できるメリットがあり、これまでのように患者自らが一つ一つ生薬を選び出して、量や種類が足りているかチェックする必要がなくなった。そこで、今回の会議では、この小袋に詰める方式が、今後も普及させるのに都合がよいという結論が出されている。
現在、中国でこの小袋方式を試験的に導入しているのが、中国中医科学院西苑医院・上海中医薬大学附属竜華医院・広東省中医院など19の病院。実施状況をふまえて、今後『小袋に分けた中薬刻み生薬の医療機関における応用指南』が編さんされ、全国の3級・2級医院に研修を通じて広く応用される予定。
ただし、筆者も実際に使ってみての感想は、処方時に薬の量の制限を受けることがあるのと、患者がビニール袋一つ一つから生薬を取り出すのが結構厄介だという声も聞かれた。また、昨今の環境保護の観点からも、闇雲にビニール袋を増やす点にも問題があるともいえよう。(写真は、従来の方法で量配分されている煎じ薬)(2008年6月記・山之内 淳)
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