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中医学の古典文献の保存施設が指定される
中国国務院は、2008年3月1日に中国に現存する中医学古典文献を保存する施設を決定した。この中には、中国中医科学院図書館、南京中医薬大学図書館、国家図書館など51カ所の図書館のほかに、博物館や資料館などが古典医学文献保存施設に指定された。また、国務院では今回初めて『国家珍貴古籍名録』を定め、2392種の文献を収録した。
中国で最も歴史のある中医学専門の図書館は、中国中医科学院図書館で1955年に設立された。中国で最も収蔵数が多く、蔵書内容的にも価値がある図書館。蔵書数は10.3万冊で、このうち貴重な本は1500種類、25000冊にも及ぶ。中国中医科学院図書館の中で珍しい書籍として『聖散子方』・『聖済総録』・『世医得効方』・『本草衍義』・『本草綱目』(明万歴金陵胡承竜刻本)、『補遺雷公炮制便覧』(宮廷彩絵本)、『古今図書集成』(清雍正四年内府銅活字本)など宋・元・明・清代の珍しい書籍が収集されている。
そのほか、南京中医薬大学図書館も2300種類、合計3000冊の中医学に関する書籍を保有している。さらに、日本や朝鮮などでも出版された『東医宝鑑』もある。南京中医薬大学では、中医文献学が中国の国家重点学科に指定されている。文献の種類と数は充実していて、近年発行された『中医方剤大辞典』・『中華本草』・『中薬大辞典』などの書籍の引用文献の80%は南京中医薬大学図書館で揃うという統計もある。(2008年6月記・山之内 淳)
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