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古代東阿阿膠の製造法保存に向けての取り組み
中国国内でもすでに継承者がほとんどいなくなってしまった生薬阿膠の伝統的な製造工程を守ろうと、山東省で初めて省クラスの非物質文化遺産伝統中医項目として、阿膠の製造工程が指定された。2007年12月22日(冬至)からこの生産活動が再開されていて、技術の継承がはじまる。
阿膠はロバの皮を原料に作られ、中医学的には補血・止血・滋陰潤燥の作用がある。また、中国人の間では日常的に冬場の冬令進補のころによく用いられ、良質の阿膠は重宝される。
山東省には東阿阿膠と呼ばれる阿膠が伝わっていて、秦玉峰がこの製造技術を継承する人として認定されている。彼は、阿膠を作る8代目の職人で、過去30年にわたって阿膠を製造してきて、特に煉膠や切膠などの伝統的な技術に精通している。さらに、技術革新にも熱心で阿膠への貢献は大きい。
そこで、今回の省クラスの非物質文化遺産伝統中医項目指定を受けて、秦玉峰はこの伝統的な阿膠の製造工程の保存に力を入れることになった。これには、冬至に黒ロバを処理して黒皮を採取し、東阿エリアの地下水を利用するなど50あまりの工程はすべて古代から継承されたものを使うという。冬至に阿膠を作るのがよいのも、このときに「陰極之至」状態となり、陽気が回復してくるから。鍋などの道具も伝統的なものにこだわり、手作りを重視される。この製造場所は、山東省阿東県の東部に位置し、観光客などの見学も受け入れるという。
阿膠を作っている東阿阿膠股份有限公司では、さらに国内の4カ所の中医薬大学と提携し、阿膠の歴史文化の研究を行う。(2008年2月記 山之内 淳)
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