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中国副首相呉儀女史が中医学に本腰を入れる
アメリカ『フォーブス』誌の「世界で最も影響力のある女性100人」のなかでいつもトップ3以内に指名され,「鉄の女」と畏敬される中国副首相の呉儀女史が,昨年末に,2008年3月に退職したあとは,一切職務につかず,天下りもしないと宣言して,その去就が注目されていた。その呉儀女史,今年1月24日の「2008年全国中医薬工作会議」の開幕式において,自ら余生を中医薬発展事業のために尽くしたいと述べ,現在『黄帝内経』を読書中だと語った。
彼女は,2003年4月,SARSが猛威を振るったときの副首相兼衛生部部長であり,SARS対策の最高指揮者であった。副首相就任直後の5月8日,16名の老中医とともに座談会を開いたのがきっかけで,中医と深い関係が始まったという。この座談会は,当時,SARS治療において中医が軽視され,治療最前線から外されたことに,老中医たちが抗議をしたことで有名だ。
以来,女史は一貫して中医を支持し,大きな節目で重要演説を行って中医を激励し,その発展のために種々の重要施策を打ち出してきた。政治局員であり,副首相という高地位の指導者が,これほどたびたび中医の専門家会議に顔を出して演説するのは,いままでにないことである。最近,国務院のなかに各部(省)にまたがって中医を討議する専門部署が設けられたのも異例のことだ。
当誌『中医臨床』111号(2007年12月)の特集「未病を治す」で紹介したように,いま中国では大規模な「治未病」キャンペーンが展開されている。大小の討論会が開かれ,未病専門センターが全国的に建設され始めている。このキャンペーンの発端となったのが,去年1月に行われた「治未病」の戦略的重要性を説いた呉儀女史の演説である。中国中医界にまた1人,影響力のある人物が誕生したようだ。 2008年2月記 (Y)
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