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上海の「治未病健康プロジェクト」
中国国家中医薬管理局・上海市衛生局が中心となり,上海市で「治未病健康プロジェクト」が実施される。1月11日に開かれたこのプロジェクト発足式には,中国衛生部副部長・中国国家中医薬管理局の王国強局長や,顔徳馨ら著名な老中医たちが参加した。
上海市衛生局の徐健光局長によると,上海市の「治未病健康プロジェクト」は,「未病を治す」ことを核として健康文化・健康管理・健康保険の3つを一体化させた「健康保障モデル」を創設し,「治未病」医療サービスと医療ネットワークを確立して,中医学による予防医学的な医療サービスを普及していくというもの。
上海市衛生局では,すでにプロジェクトチームを立ち上げ,専門家による研究を進めるとともに,中医医院・総合病院・社区衛生サービスセンターにおけるモデル地区を定め,未病知識の普及を目指している。
「治未病」プロジェクトは,中国国務院の呉儀副総理が提唱したものでもあり,中医学の特色が発揮できる分野として注目を集めている。さらに,中国国家中医薬管理局では,1月25日に北京ではじめて「未病を治す」をテーマにしたトップ会議を開催することが決まった。
上海市では上海中医薬大学附属曙光病院と同岳陽中西医結合医院で「治未病センター」が設置され,1日15~20人の患者が訪れている。また,長寧区衛生局や北新涇社区衛生サービスセンターなども「治未病」プロジェクト実施の計画を明らかにしている。健康診断で亜健康状態と診断された患者に対し,従来の食事指導以外に,生薬・針灸・気功・耳貼・足浴など中医的な治療の試みが行われ,コンピューター分析による患者への定期的な追跡調査も行われている。(2008年1月記 山之内 淳)
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