中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　12月13日、中国の著名な理論物理学者で中国科学院の何祚庥院士が、武漢生物工程学院で『反偽科学と学術腐敗』をテーマにした学術報告を行い、その中で中医学をやり玉にあげた。中医学の陰陽五行説は、偽科学であると主張、それに反対する教授とで激しい論戦が繰り広げられた。
　この中で、何祚庥院士は中医学で日常的に使われている用語を例に、その非科学性を指摘し、陰陽五行説に対しても批判を行った。これを聞いた武漢生物工程学院製薬工程学部の詹亜華教授は反論、中医学は人類の健康に欠かせない重要な役割を持ち、数千年にわたって実践されてきた生命力を持つものであると発言した。
　さらに、何祚庥院士は中医学は住血吸虫すら治療できないとし、その理由は中医学が偽科学であるからと主張した。一方で、詹亜華教授は中医学は世界でも希な数千年にわたって継承されてきた伝統医薬文化であり、華夏文化の主要な構成部分であることを強調、討論は十数分間にわたり、膠着状態が続いたようだ。
　中国では、最近中国人科学者の間で、中医学の科学性についてそれぞれの立場から激論が交わされることが多い。（2007年12月記　長江商報より山之内　淳）