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上海で一部生薬が品薄、価格も値上がり

 物価上昇が著しい中国都市部だが、今年は生薬の値上がりも著しい。特に、上海では例年よりも人気が高まっている膏方の処方で、補剤の需要が高まる中、生薬の生産量は限られているため、そのまま価格に跳ね返った形になっている。価格の上昇とともに、偽物生薬の心配も高まっており、問題を複雑化している。
 上海にすむLさんは、毎年11月になると「冬令進補」の習慣により、生薬を買って自宅で使っているが、去年50グラム2元(約30円)程度だった当帰が、今年は一気に6元~7元(約100円)程度までに値上げしていることに驚いている。とくに、温補系の生薬の値上げが著しく、2倍~3倍になっているのも珍しくない。
 上海でも有名な生薬薬局の一つである同仁国薬でも、川貝母が、仕入れ価格で1キロ当たり600元程度なのが、今では1500元以上するようになったと嘆いている。そのほか、市民になじみ深い党参・金銀花なども小幅ながらも値上がりしているという。
 補剤系の値上がりは、膏方で大量に生薬が消費されるのと関係があるが、それ以外にも気候の不順が影響しているとも言える。上海中薬行業協会でも、今年の生薬の値上がりの原因に、原産地での生薬の不足が最大の原因で、とくに四川省・甘粛省では気候不順で生薬の収穫がよくなく、さらに物価上昇などによる労働コスト上昇も追い打ちをかけているという。
 当局の価格統計でも、2007年上半期だけで、260種類の生薬が値上げを余儀なくされていて、値上げ幅は前年比37%となっている。たとえば川芎も1キロ当たり10元(約150円前後)だったのが、今や25元(約375円前後)にまで上昇しているし、党参も1キロ当たり10元(160円前後)だったのが、15元(240円)程度になっている。
 一方で、上海市食品薬品監督管理局では、市民に対しては生薬の購入場所に注意するように呼びかけている。とくに、一部生薬はスーパーや茶店などで購入ができるが、品質面での保障がなく、偽物の可能性も高いため、必ず正規の生薬薬局で買うようにしてほしいとしている。とくに、スーパーで山積みになっている生薬は、多くの人が触ることができるので、汚染される可能性も高いという。(2007年12月記・青年報など・山之内 淳

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