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生薬冬凌草の有効成分Oridoninが白血病治療に有効か
上海交通大学医学院付属瑞金医院の上海血液学研究所が、生薬冬凌草などに含まれるOridonin(オリドニン)と呼ばれる成分が、M2型急性白血病の治療に有効であることが、動物実験で証明されたとして、上海のメディアで報道された。
上海血液学研究所では、これまでに急性前骨髄球性白血病(APL)の治療で、オールトランスレチノイン酸 (ATRA)と中薬の一種であり猛毒の砒霜の有効成分である亜砒酸(ATO)を使って治療し、APLの中国での生存率を90%以上にまで高めたとして業績を挙げている。
今回のオリドニンの研究では、動物実験の段階でM2型急性白血病に有効であるとされ、すでに江蘇省の製薬会社と臨床試験に入る準備を行っていることも明らかにされた。
白血病は全世界で22万人が亡くなっていて、このうち40歳以下での死亡率が高い癌と言われている。さらに、60%~70%のM2型急性白血病患者は、化学療法を行っても1年後に再発したり、薬に対して耐薬性が生じて効果が望ましくないことが多い。
上海血液学研究所所長の陳賽娟院士によると、Oridonin(オリドニン)が、病変したタンパク質を分解することで、白血病の細胞をapoptosisさせるのに有効に働いていると考えられている。すでに研究成果は、国際会議などで発表されている。(2007年11月記 山之内 淳)
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