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その名の通り,古ければ古いほどいい値段がつく「陳皮」
中国ではいま、ミカンのシーズン真っ盛りである。ミカンの収穫が多い年は、陳皮の生産も忙しい。陳皮の原料となるミカンの品種は決まっていて、一般的に「茶籽柑」と呼ばれるものが使われる。それ以外の品種では化痰止咳作用があまり強くないといわれている。
こうした陳皮を作るためのミカンの皮は、干し方にもテクニックがあるようだ。しっかりと洗って農薬などを落とした後、切り込みをいれて皮をきれいに取る。そうして取った皮を陽に晒していると、緑色の皮が徐々に黒くなっていく。ポイントはまだ熟しきっていない緑色のミカンを使うことで、オレンジ色に熟したミカンよりも、緑のままの方が質のよい陳皮ができる。オレンジ色のものになると水分が飛んでしまって、厚みも足りないのだという。
陳皮は一般に貯蔵して保存されるが、貯蔵される期間が長いほど市場ではよい値がつき、6年~7年ものでも500グラム500元~600元になる。8年~10年物となると500グラムあたり1000~1300元にもなる。
中医薬文化が色濃く残っている広東省では、日本企業が集まる工業都市・東莞市あたりにも陳皮の収蔵家がいるなど、ちょっとした投資になっている。もちろん、品質によって値段が変わってくるのだ。この時期、東莞市などの街角ではミカンの皮を干すいいにおいが漂ってくる。(2007年10月記 羊城晩報より抜粋 山之内 淳)
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