中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　青海省蔵医院で、最近チベット医学の薬浴療法を体験にくる外国人が増えているという。
　チベット医学では薬浴のことを、『五味甘露浴』と呼んでいる。これは、チベット医学で有名な著書『四部医典』の中に記載されていて、かれこれ1300年の歴史がある。チベット医学での薬浴療法は、主に疏松腠理・活血化瘀・去風除湿作用があるとされ、主にリウマチやリウマチ様疾患の治療に成果を挙げている。そんな薬浴療法を、青海省蔵医院薬四浴科では過去20年間にわたって実践し続けている。2006年には中国国家中医薬管理局の重点学科にも指定された。
　慢性関節リウマチ関係の治療では、そのほかにチベット医学で使う敷縛療法・塗搽療法・放血療法・火灸療法など数十種類の外治療法の実践が研究されている。さらに、こうしたチベット医学のベテラン医師たちの臨床経験の整理も進めている。最近では、チベット医学の骨浴療法・敷縛療法・十八味蔵糖口服液・銅烙療法などが青海省衛生廳から表彰を受けた。
　中国には中医学とよばれる伝統医学以外にも、各民族が育んできた伝統医学がまだたくさん残っている。（2007年10月記・中国中医薬報より・岸田賢治）