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断腸草を金銀花と間違えて2人死亡、1人入院

 生薬には非常に姿形が似ているモノが多く、採取するときに間違えると、致命的な結果を引き起こすことがある。広東省増城鎮で、涼茶を作ろうと野山で採取した断腸草を、金銀花と間違え、涼茶を作って友人たちに振る舞ったところ、2人が死亡、1人が死亡した。
 断腸草は別名「鈎吻」ともよび、山砒霜(山の砒素)と呼ばれるぐらい毒性が強い。ただ、金銀花と外見がよく似ていて、間違って食する事故が中国でも数多く発生している。古典文献でも神農が断腸草を食べて命を落としたというエピソードがあるぐらいだ。

 断腸草は、中医学では外用薬として、主に湿疹や水虫、痔の治療に使われることもある。また、止痛作用もあるとされている。もちろん、中医学の文献には「大毒」と記されているが、特に根や葉に毒性が強いとされている。中毒症状は、食して10分後ぐらいにあらわれ、嘔吐などの症状とともに、30分後には腹痛・けいれんのほかに、言葉のろれつが回らなくなったり、呼吸不全・失神など危険な症状がでてくる。一般に、西洋医学でも特効薬がないとされており、中医学の文献ではアヒルの血や羊の血が有効とされている。

 今回の事故は、10月1日正午に断腸草を使って作った涼茶を夫婦と友達1人で飲んだ。特に、夫と友達の症状がひどく、死亡した。涼茶を作った妻の方は、辛うじて生命への危険はないという。ただ、まだICUで治療が行われているとのことだ。(2007年10月記 岸田 賢治)

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