中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　北京市では、西洋医医師に正しい知識でもって中成薬を処方できるように、西洋医医師の研修プロジェクトを8月10日よりスタートさせている。この日は、朝陽区の産婦人科医師200名あまりが、第1回目の講座を受けた。
　中国では、西洋医の医師が、服用も簡単で、種類が豊富な中成薬を処方するケースが増えている。価格も新薬と比較すると格段に安いため、医療費軽減に寄与するものと見られている。そこで、研修を通じて中成薬の弁証や、配合、服用時間や安全な服用方法など、中成薬に対する必要な知識を身につけてもらうねらいがある。

　今回の研修プロジェクトは、北京市中医管理局・北京市衛生局が主催し、各専門に分かれて、統一したカリキュラムで行われる。まず初めは、半年間の時間をかけて、北京市中心部8区の15の医療機関、あわせて10000名の西洋医師を対象に研修が行われる。今後、2年の時間をかけて、北京市全体の西洋医医師に中成薬の知識習得を目指す。中国全国的にも、西洋医医師を対象とした中医学の中成薬の研修制度は珍しい。（2007年8月　中国中医薬報より山之内　淳）