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端午の節句に残る中医学の文化

 旧暦で端午の節句を迎える中国では、日本よりもずっと時期が遅くなって、端午の節句は初夏になる。ただ、実際には旧暦から考えれば、初夏ぐらいに迎えるのが自然で、季節にあった風習を実践できると言えよう。
 中国で残る端午の節句の伝統は、かれこれ2000年近い歴史をもつと言われている。今でも残っている風習として、粽を食べたり、菖蒲や艾を飾ったり、蒼朮・白芷を使って部屋に香りを立ちこめさせ、雄黄酒をたしなみ、竜舟のレースを楽しむ。そういった風習は中国各地に残っている。
 最近ではあまり無くなったが、沐蘭という風習もあった。これは、生薬佩蘭を煎じて、お風呂に入れて沐浴するというものだ。ご存じ、佩蘭には化湿・解暑の作用がある。佩蘭の葉っぱを直接虫にかまれたところにつけたり、薬草枕に入れることもあれば、香り袋に入れることもある。
 門や窓に飾る菖蒲も、節分に欠かせない。先が剣のようにとがった外見から、邪気よけの働きがあると考えられた。 もちろん、中医学でも、生薬の菖蒲は、揮発油を豊富に含み、昔から蚊やハエを駆除する働きがあると考えられている。(2007年6月記 山之内 淳

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