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中国華南を飛び出し始めた涼茶
今まで、華南地方しか見られなかった涼茶が、最近では上海などの華東エリアなどでも見られるようになった。今や、炭酸飲料やジュース、茶飲料などにつづき、涼茶が中国全国的にその力を盛り返ししつつある。涼茶とは、体を冷やす清熱や去湿、生津系の生薬を材料に、甘く味付けをした夏に飲まれる伝統的な飲料である。湿気多く蒸し暑い華南エリアでは各家庭にレシピがあるなど、代々受け継がれている。まさに典型的な中医学による養生と言えるだろう。
2007年の涼茶市場の特徴としては、どの企業も販売拡大に向けて力を入れている点だ。広州の鄧鉄涛教授などが開発した鄧老涼茶のほか、老舗の王老吉、春和堂など大手各社が中国各地への販売戦略を広げている。
こうした涼茶ブームの背景には、昨今の中国人の健康に対する関心の高さが関係している。清涼飲料水のように添加物が使われることもなく、生薬がメインという健康的なイメージが、人気の秘密とも言えよう。
広東省食品協会では、広東省の文化でもある涼茶を、新しいジャンルの飲料として育てたいと目論んでいる。すでに、広東省ではコカコーラの売上高を超えているそうだ。
広東省には、すでに30あまりの涼茶の生産ラインがあり、年間100万トンの涼茶が生産できるという。最近では、香港・澳門や東南アジアの各国にも輸出し始めている。(2007年6月記 山之内 淳)
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