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中国で生薬の値段が上昇傾向
生薬の生産が盛んな広東省などで、生薬価格の値上がりが始まっている。広東省の統計では、今年1月~5月で平均24.6%の上昇となっており、一部中成薬の生産会社にも影響が出始めている。
中国国家統計局広東調査総隊によれば、2007年に入って、当帰・金銀花の価格が上昇しはじめ、1月では前年比の15.5%だったのが、5月には前年比27.5%の値上がりとなっている。これ以外にも、生薬としてよく使われる菊花・党参・黄耆なども含めて、全体の80~90%の品種で値上がりがみられている。
生薬の値段上昇について、統計部門は分析を行っている。まず、最近の傾向として、生薬の作付面積の減少と、野生の生薬の減少、さらに一部品種では、生薬が枯渇し始めているという。また、国外向け輸出生薬の急増で、需要が増えているほか、中国国内でも健康志向の高まりで、生薬の人気が高まっていることも関連しているとしている。加えて、経済の発展にともない、労働賃金の増加と物価の上昇も生薬の価格上昇と関連がある。例えば、広東省では一般に、夏は気候も暑く、ジメジメしてカビが生えやすいため、生薬の需要が落ち込むのが慣例だが、最近はその傾向もかわってきたという。
ただ、製薬会社も単純に値上げできるわけではない。中国では国家発展改革委員会の決定により、内科でつかう278種類の中成薬と、婦人科で使う188種類の中成薬の値段を強制的に下げさせた。そのため、特に中小の製薬会社にとっては生薬原材料の高騰は影響が大きいとみられている。(2007年6月 羊城晩報 岸田賢治)
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