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中医学の「四診」をシステム化できるか?上海で取り組み
上海中医薬大学と上海交通大学機械工程学院では、中医学で行われる脈診や舌診をコンピューターを使ってシステム化する研究を行っている。これまで、人間に頼っていた「四診」を果たしてどこまで現代科学で再現できるかに注目が集まっている。
中医学の診断法に関して、理論的な空虚感が中国の医療関係者の中で広まっている中、上海中医薬大学副校長の劉平教授や上海交通大学機械工程学院の朱訓生教授などのグループが、ファジー理論を導入して、中医診断を数値化する試みを研究し、中医弁証の基準の設定を行っている。
これは、中医学などで多い、定義が難しいあやふやな概念に対して、症状を入力することによって、証候を導き出すというもの。この結果、たとえば肝硬変の患者では、患者の症状を入力することにより、比較的正確に証を導き出すことに成功したとしている。
また、中医診断学のデジタル化も行われている。中医学の舌診を、パソコンを通じて行うシステムも開発された。これは、デジタルカメラを利用して、舌をソフトウエアで解析させ、自動的に分析させるというもの。そのほか、脈診でも脈をセンサーが読み取って、浮脈・沈脈・滑脈などを診断させ、これまで医師の主観的な判断に任されていた脈診を機械的に分析できるようになった。今後、臨床でもこれら機器を用いることにより、より緻密な臨床データ分析ができるとしている。
このように、中医学の理論を、数学など他の科学的手段を使ってより理論的に分析する研究が、中国でも本格的に動き出している。(2007年5月記 新聞晩報より整理 山之内 淳)
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