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中国で初めて針麻酔を使った心臓弁置換手術に成功 

 上海仁済医院で、中国ではじめての針麻酔を使った僧帽弁と大動脈弁の心臓弁置換手術に成功した。
 この患者は26歳の女性で、経済的に困窮しており、医療費を支払うことができなかった。そこで、病院側では詳しく患者の体を検査したところ、麻酔科の王祥瑞主任と心胸外科の薛松主任が針麻酔を使うことを決断した。

 中国の場合、都市部に治療にやってくる心臓弁膜症の患者の多くは、経済的にも困難な地方出身者が多く、現在は治療放棄を余儀なくされている患者が少なくない。また、麻酔の費用が手術費の中で多く占められており、針灸麻酔を使うことにより、麻酔費の三分の二は節約できるという。

 この患者は1月24日朝7時半に手術室に入った。まず、一般的な麻酔の準備を行ったと、胸部と腕に6本のステンレス製の針を刺し、あわせて電気針を行った。経穴に一定の刺激を与えて、さらに少量の麻酔薬を使って針麻酔の作用を強化させた。

 その後、外科医による手術が始まり、普通なら大量の麻酔薬が必要な手術も、少量の麻酔薬で患者は浅いこん睡状態となり、手術中の医師との会話もできたという。

 手術は、のべ5時間にわたって行われ、2日後には歩くことができるにまで回復した。

 安全性が比較的高いとされる針麻酔の研究は、上海仁済医院の麻酔科では1970年代より行われている。中国で初めての体外循環(人工心肺)を使っての心臓手術に成功し、その後心臓手術の分野で針麻酔を積極的に研究している。

 最近の現代医学の麻酔の進歩により、針灸麻酔も新たな局面に入っているという。麻酔の過程で静脈麻酔を行うことにより、針灸麻酔の安全性を高め、比較的浅いこん睡状態を作りだすことで、手術中最も危険な時期を乗り越え、いつでも医師と交流できる状態となる。

 ただ、技術的にはまだ困難も多く、心臓手術で針麻酔を広げるには、まだ多くの課題が残っている。そういった意味では、今回の僧帽弁と大動脈弁の心臓弁置換手術は大きな成果といえよう。 

出典:東方早報 2007年2月3日


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