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中国におけるエイズ流行の分析
中国国家衛生部エイズ臨床専門家プロジェクトチームによると、1985年6月に中国で第1例目のエイズ患者が発見されて以来、これまでの拡散状況から、拡散速度がスピードアップしている状況を明らかにした。この中で、中国のエイズ流行には、以下の傾向があることが確認されている。
1.流行範囲が広く、地域差が大きい
国土が広い中国では、エイズが流行している地域が拡散しており、一部地域では蔓延状況が深刻化している。特に、河南省と雲南省ではそれぞれ3万人以上のエイズ感染者が確認されている。また、新疆ウイグル地区、雲南省、四川省などの一部地区では、麻薬注射による感染率が50%を越えている。また、売春によるエイズ感染率も1%を越えているという調査結果もある。
2.エイズ発病と死亡率の急増
2001年以来、中国ではエイズの発病と死亡者数が急増している。2001年~2002年の中国でのエイズ発病者数は1742例、死亡者数は716例となっていて、2002年と比較すると、2001年のエイズ感染者は44%増加した。また、2006年10月31日現在で、中国で累計で報告されたエイズ感染者は183733例、このうち発病者数は40667例、死亡者巣は12464例となっている。
3.一般市民への拡散が広まる
雲南省・河南省・新疆ウイグル地区の一部地区では、妊婦の検査や結婚時の検査で、エイズ感染者が発見される確率が1%を越えており、国連が定める基準では、流行が甚だしいレベルにまで達している。特に、麻薬中毒者、同性愛者、長距離トラックの運転手、性病患者などが感染の危険性が高いとされ、その後配偶者などから感染し、新生児の感染を招くケースもある。
2010年には、中国のエイズ感染者は100万人~1000万人になるとされ、社会に与える影響は深刻。いままさに緊急の対策が求められている。
出典:中国中医薬報 2006年12月1日
担当:岸田 賢治
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