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中国の臓器移植、自国民が優先 

 中国衛生部の黄潔夫副部長が、広州で行われた記者会見で明らかにしたところ、生体間移植に関しては、配偶者や直系親族、3代以内の傍系親族などに限られるとして、また医療機関が臓器移植に関しての広告や、広告で外国人を移植目的で中国に旅行させることの明記を禁止するとした。

 また、臓器移植に関して、移植提供を行う本人の意思を確認し、臓器移植提供可能な人の条件を厳格にする。この中で、臓器移植提供者は国際的慣例に従って18歳以上であることとし、臓器を提供することによって、正常な生活が行えない人は移植はできない。

 さらに、如何なる形式でも人体臓器の売買は禁止し、まず中国公民(香港・澳門・台湾を含む)に対する移植を優先する。ただし、特殊な場合に関しては、外国人への移植を認めるものの、特定の手続きを踏まなければならない。

 また、中国では最近『脳死亡法』が制定され、近く国務院から公表されるものの、現在の段階では立法化されておらず、脳死状態での臓器移植は違法行為となることを明らかにしている。『脳死亡法』は制定までに11年の歳月がかけられたが、現在でもまだ討論が続いている。

 この中で、『脳死死亡判定標準草案』では、脳死の診断では、少なくとも2人の医師を必要とし、1人は患者の主治医、もう一人は神経内科・神経外科・麻酔科もしくはICUの医師で、10年以上の臨床経験と、副主任医師以上の資格をもつことが必要とされている。また、脳死判定は、市が管轄する1級病院、もしくは衛生部が2級病院と定めた病院でなければならないとする。

 ただ、この「脳死」関連法案が中国で通っても、しばらくの間は脳死と心臓停止の2種類の「死」が共存することになり、脳死と診断されても、医師は家族の同意なしで臓器の摘出はできない。そのため、法案が成立しても、臓器不足の現状はすぐには解決されないものとみられている。 

出典:羊城晩報 2006年11月15日 
担当:岸田 賢治


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