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中国の国内企業、中薬歯磨き粉に期待を寄せる
世界各国の歯磨き粉が中国市場に流れ込み、中国国産の歯磨き粉が苦境に立たされている中で、捲土重来を狙って中薬を歯磨き粉に導入する動きが、ここのところ中国で高まっている。
中国政府も現在『中草薬牙膏』(中薬歯磨き粉)の国家基準を作成中とのことで、中国の企業はその時期を首を長くして待っている。
競争が激しい中国の歯磨き粉市場であるが、昨今は原材料費の高騰が進み、薄利多売状態に陥っており、2005年の利益率は5%未満となっている。さらに、外資系企業の進出により、歯磨き粉シェアの6割~7割が外資系企業にとられている形になっている。しかし、世界最大の歯磨き粉消費大国として年間45億本が消費される中、2010年にはその市場規模が181億人民元(2600億円)に達するものと予想されている。
そんななか、国産の歯磨き粉製造会社では、中薬を使っての新製品開発に取り組んでいる。もっとも有名なのが1999年に発売された本草牙膏で、その後、両面針・田七・芳草など生薬を使った歯磨き粉が登場してきた。さらに、雲南白薬を使った歯磨き粉も登場し、登場後1年間で売り上げ2億人民元(約30億円)の記録を達成した。いずれも、技術革新により、名処方として名高い雲南白薬を歯磨き粉に使った点が特徴だ。
さらに100年以上の歴史を持ち、有名な片仔癀を使った歯磨き粉も片仔癀薬業から登場し、いずれも販売成績は好調のようだ。
中国での歯磨き粉の成分管理では、主にフッ素の含有量や衛生基準、正味の量、化学的性能に関しての規定があるが、効能についての規定がなかった。そこで、2005年には中国口腔清潔護理用品工業協会が生薬を含む歯磨き粉の基準を定め、効能表記をする歯磨き粉の管理を強化した。さらに、現在検討されている国家基準の作成が待たれている。
生薬を使った歯磨き粉は、中国の歯磨き市場に新たなビジネスチャンスをもたらすとして、大いに期待されている。
出典:羊城晩報など
担当:山之内 淳
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