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6月22日は端午節、粽と菖蒲、そして「香嚢(匂い袋)」 

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 春節も含めて、中国では伝統行事はすべて旧暦で迎える。今年の6月22日は端午節で、中国の風習を色濃く残している。その代表が粽であるが、これは上海市内の食品店などでもこのときばかりは飛ぶように売れる。これが日本の中華粽や日本伝統の粽とはまったく形態が違うため、ぜひ機会があれば試していただきたい。そしてこの時期は生薬を売っている中医薬局もにわかに忙しくなる。実は、この日に香嚢とよばれる匂い袋を首からぶら下げる習慣があるからだ。時に子供につける習慣があり、魔よけや病気よけの意味合いがある。この匂い袋の中身は、じつは生薬なのである。昔の人たちは、こうやって生薬を使って病気を予防することを知っていたのであろう。
 上海では中には丁香・白芷・甘松・細草などを入れるが、地域によっては雄黄・朱砂などを使うところもある。実は去年にSARSが流行したころに、匂い袋を提げて予防するというやり方が紹介されたが、これもこのあたりからヒントを得ているのだろう。特に今年は上海で売れ行きが好調で、老舗の中医薬局の童涵春童では20日1日だけで1800個、蔡同徳などでも予想を上回る売れ行きで、この中薬を使った匂い袋をもとめて、一時行列ができたぐらいだった。さらに艾草を蚊などの虫よけに使う市民などもあり、一時スーパーなどでも端午節関係の物品が品切れになるところもあった。
 中医薬と中国人の生活風習とは、今でも切り離せない関係にあることがよくわかる。(写真は上海にある1783年開業の老舗薬局童涵春童、藤田 康介提供)

出典:東洋学術出版社
  担当:藤田 康介

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