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上海、天然の補剤系生薬の売り上げ好調 

 春節まであと1ヶ月近くになり、上海では里帰りのお土産として高価な山参や冬虫夏草、燕の巣などを購入する市民が増えてきている。特に冬場には「補」という考え方が広く知られている中国では、膏方以外にもこれら身体を補う作用のある天然生薬も日常からよく使われる。たとえばスープや火鍋(中華なべ)にこれら生薬を混ぜたり、人参を少し刻んでお茶に入れたりする。上海薬材貿易センターの統計によれば、12月における天然補剤系生薬の売り上げは、普段よりも20-30%も増加するという。
 上海には生薬店の老舗として、蔡同徳堂・堂涵春堂・胡慶余堂などが有名だ。その中で蔡同徳堂では、冬虫夏草の売り上げが好調で、人によっては一度に5000元(6万千円相当)もまとめて購入する人もいるという。冬虫夏草は品質の良いものになると、100グラムは12000元前後(15万5千円相当)もする高価な生薬だ。
 確かに、中国にはレストランなどで薬膳料理など食することはできる。しかし、薬膳料理はかなり高級な部類に入り、庶民の口にはそう簡単に入らない。また果たしてメニューに表記されている生薬が本当に使われているかという心配もある。一方で健康食品も多く売られているが、どう見ても包装にお金を使っている、というようなわけの分からない健康食品も少なくない。そこで、生薬を自分で買ってきて調理するのが一番合理的という結論に行き着く。人々の生活の中に、生薬が息づいていることが感じることのできる冬の中国だ。 

出典:東洋学術出版社 
担当:山之内淳


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