中国では都市部を中心に健康ブームが高まり、足裏マッサージを利用する市民が増えているが、利用者の急増に対して按摩師が極端に不足している。そのため、多くの足裏マッサージをする施設では、資格取得者の獲得が難しいために、足裏マッサージに「詳しい」人を雇ってきて、急場をしのいでいるのが現状だ。
中国では足裏マッサージを行う按摩師も1999年に『中華人民共和国職業分類大典』に登録され、国が認める職業となっているほか、『足部按摩師国家職業標準』が定められて、中国国家労働部の資格も作られている。
しかし、足裏マッサージをする施設は年間100%の割合で増加しているといわれており、このうち2003年に営業資格を取得した企業は120万社、施術する人の数は300万人から400万人いるといわれている。この中には、美容院で行われる足裏マッサージは含まれていないから実際にはもっと多い。しかし、現実に中国国家労働部の資格を取得して足裏マッサージを行っている人は全体の40%にも満たないという統計も発表されている。
足裏マッサージが急増する原因として、健康ブームのほかに、手軽に開店できるというメリットがある。店の内装工事などを含めても数十万元(数百万円単位)で開業できるからだ。
しかし資格を取得していない人が足裏マッサージを行うと、力の入れ方や経穴の位置が十部に把握できていないため、副作用の心配も指摘されている。
足裏マッサージが病気を治療できるか?
この問題に関して、中国でもかなり長期わたって議論が続けられている。治療を受けた患者のなかには、糖尿病や高血圧などの慢性疾患に効果があったという人も少なくない。事実、足裏マッサージを行うと、脚がホカホカと温もり、脚の血流が倍になるというデータも報告されている。そのため、心臓の負担を軽減し、新陳代謝を高める効果があるといわれている。もちろん、これら効果を否定する医療関係者がいるのも確かだ。
しかし、足裏マッサージを受けることにより、身体が軽くなり、疲れが癒されるという人は少なくない。少なくとも、健康を保持し、リフレッシュするために効果があるというのは間違いなさそうだ。
出典:青年報 2006年5月20日
担当:山之内 淳