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野生の杜仲、中国貴州省貴陽には存在せず
生薬として使われる動植物の資源枯渇問題が深刻化している。貴州省で行われた貴陽市科学技術重大研究プロジェクトの一つである、『貴陽市中薬資源調査研究』が貴陽中医学院中薬研究所の何順志氏が中心となって行われた。
この研究では、1999年から行われているもので、1987年に貴州で行われた中薬資源の調査をもとに、新たに貴陽市の薬用植物産地100箇所について、資源の調査を行った。貴陽市は山々に囲まれていて、生薬資源が豊富なエリアとして中国で有名。
このなかで、予想以上に植物の破壊が進んでおり、薬物資源の現状が悲観的な状態であることがわかった。すでに、数種類の生薬用植物が絶滅の危機に瀕しているという。
この研究で、とくに貴州の三大貴種生薬といわれている「杜仲・天麻・霊芝」では、貴陽市エリアでは野生種はほぼ見当たらなくなった。野外調査で、極めてまれに野生の天麻や野生の霊芝が見当たる程度で、野生の杜仲にいたってはほぼ絶滅したと結論を出している。
こういった現状をうけて、野生の生薬用植物の保護に本格的に乗り出す。また、ほぼ絶滅した杜仲に関しては、栽培されたものと野生種との間の遺伝子の違いを研究し、薬効などでの区別を見定める。
何順志氏は、野生の杜仲は貴陽市から消滅したと考えて間違えないとし、貴陽市の野生中薬の遺伝子データーベースから、杜仲が永遠に登録されない可能性も否定できないとしている。
出典:中国中医薬報
担当:山之内 淳
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