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中国、栄養状態は改善されたが、肥満・高血圧・糖尿病・高脂血症が増加
「中国に駐在すると糖尿病になる」といわれるぐらい中国の食生活は日本人にとっても注意が必要だ。しかし、これはなにも日本人に限ったことではなく、中国13億人の人口のうち、6000万人が肥満の状態であることが衛生部の調査で分かった。体重が明らかに標準体重よりオーバーしている人も2億人と、人々の生活習慣の変化が影響していることがわかる。また高血圧の患者もうなぎのぼりに上昇中で、現在1.6億人に患者がおり、さらに糖尿病の患者も2000万人、高脂血症の患者も1.6億人にのぼる。
一方で、中国人の栄養状態はここ数年で明らかに改善している。都市部の市民に関しては、基本的な営養の摂取は満たされており、たんぱく質の摂取も都市部では1992年の一人当たり1日210グラムから248グラムに、農村部では1人当たり69グラムから126グラムに上昇している。1992年以来、農村部の食生活の改善が著しい。また児童の栄養不良に伴う成長の遅れも、5歳以下の幼児に関しては14.3%と1992年と比較すると55%改善している。
ところが都市部では、脂肪分などの過剰摂取が問題になりつつある。2002年の都市部での油脂の消費量は1日あたり44グラムと、1992年の37グラムから増加している。これはすでにWHOが提唱している油脂の1日の食事における摂取割合を超過しており、中華料理でいかに油が多く使われいてるかよくわかる。
その結果、高血圧の患者も激増しており、患者の発生率は18.8%、1991年と比較しても7000万人以上の増加となっている。糖尿病に関しては大都市を中心に増えており、その発生率は20歳以上では1996年と比較すると4.6%から6.4%に上昇している。
肥満に関しては、児童を中心にその割合が増えている。都市部の児童のうち、肥満率は8.1%に達しており、親の営養などに関する知識の欠乏も問題になりつつある。いずれにしろ、経済の急速な発展にともない、中国人の健康も脅かされつつあることは間違いない。
出典:新民晩報 2004年10月12日
担当:岸田憲次
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