中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　中国衛生部の朱慶生副部長が、国務院で行われた記者会見において、中国の農村では貧困が原因で過半数が病院に行けない現実を発表した。
　とくに中国の中西部の農民の貧困状態は厳しく、自宅で亡くなる患者の比率も60－80%と高い。さらに2003年の中国の農村の平均家庭年間収入は2622.2元（33500円ほど）であるのに対して、農村部の平均入院費用は2236元（28000円ほど）であり、この比率からも農村部の人たちが病院に入院することが経済的にいかに困難であるかが分かる。そこで、中国衛生部では新しい農村合作医療モデル地区を指定して、中央政府からの財源も利用してまず9504万人の農村人口に対して新しい医療システムを導入し、すでに72.6%にあたる6899万人がこのシステムに参加している。
　中西部の貧困問題が深刻化する中、地方政府の財源も厳しく、中国政府も難しい舵取りを迫られている。　

出典：東方早報　2004年11月6日　
担当：岸田憲次