中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　中国では、人口13億人に対して、精神科医が1万人しかおらず、その数が極端に不足している。中華医学会が今回初めてまとめた調査で明らかになった。このなかで2004年4月から2005年2月の1年間に北京・成都・上海・広州などの地区で12の3級クラス（トップクラスの総合病院）に対して調査を行った。調査によると、循環器系や消化器系の患者でも、躁鬱病を併発している場合が多く、また癲癇患者の38.5%、パーキンソン病の35.3%も躁鬱病をもっているとしている。ところが、病院で躁鬱病と診断される割合はきわめて低く、鬱病に関しては診断率が高くて15.8%にすぎない。そのため専門の精神科医の育成が急務になる。
　不足する精神科に対して、中国衛生部では2010年までに全国の県クラスの病院の50%に対して精神科を設立する方針だが、いまだ3級クラスの病院ですらその目標が達成されていないため、雲行きがあやしい。　

出典：青年報　2005年4月10日　
担当：山之内　淳