|
▼中国最新情報
« 中国最新情報 トップに戻る
中国で問題視され始めている抗生物質の濫用問題
CCTV国際が行った『毎週質量報告』で、中国で最近突然聴力障害が発生する児童(7歳未満)が増えており、その数は30万人に達しているという現状が明らかになっている。これは、聴力障害のある児童全体の30%~40%を占めており、深刻な状態であることを浮き彫りにしている。
中国では、現在病院内での抗生物質の濫用が深刻化している。入院患者の60%、外来患者の25%以上が抗生物質を使用しており、病院の中での使用の割合は極めて高い。欧米ではこの割合は10%前後といわれている。
総合病院の最高ランキングである三級甲クラスの病院でも、感染症がないのに予防的意味で高価な抗生物質を使用し、その後患者が死亡して医療事故として訴えられ、抗生物質の不正使用として医療過誤が認められたケースが北京でも発生している。
また、家庭の薬に対する知識のなさが、命を奪ったケースもある。ある親は、食堂が不衛生であるという理由から毎日子供に抗生物質を服用させ、いざという疾患のときに抗生物質が効かなくなり、死亡してしまったケースも北京で報告されている。遺体解剖後、抗生物質の濫用が原因と診断された。
中国人の間では、抗生物質に対する神話があり、一種の万能薬的なイメージを持っている人が少なくない。つまり、新しくて高価な薬ほど効果があるという考え方だ。
2004年7月1日より、一般市民の抗生物質の購入が禁止されたものの、一部都市では相変わらず抗生物質の購入が可能で、規制が意味を成していない。不必要で安易な抗生物質の使用にはくれぐれも注意する必要がある。
出典:羊城晩報 2006年4月10日
担当:岸田 賢治
ページトップへ戻る
|