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中国全国で不足する「全科医師」、全科医師とは?
中国では、全科医師とよばれるすべての診療科を診察する医師がいる。彼らは主に地域の病院に勤務していて、高齢者医療や予防接種、疾患の予防のための知識普及などの役割をもっていて、医学部を卒業後も一定の訓練、研修を経て資格を取得しなければならない。全科医師には西洋医学と中医学の2つのパターンが考えられているが、現在中国で普及しだしているのは、西洋医学の全科医師。中医学の全科医師に関しても、上海など一部の都市では導入が検討されている。
中国の都市人口は約5億人といわれているが、この5億人の日々の健康を守るためには、少なくとも16万人の全科医師が必要と計算されている。しかし、現在中国全土で全科医師の資格をもつ医師は4000人しかおらず、大きく不足している。
この全科医師が集中的に配属されるのが、各地区にある「社区医療サービスセンター」。地域の医療を一手に引き受けている。現在、中国大陸の都市のうち95%以上、市直轄地の86%で、社区医療サービスセンターが設置されており、大学病院などの大型総合病院と役割分担することが目標となっている。
専門医とちがって、全科医師は全科医ならではの幅広い知識と特殊な技能が必要とされているため、中国国内の20の大学では、全科医学教室を設置している。しかし、全科医の概念が導入されたのが、1980年代の話で、まだ本格的な数の全科医が登場していない。
中国では、全国の主要都市で2010年までに地域医療や人々の身近な健康問題に対応できる社区医療サービスセンター制度を普及させ、予防医学の分野での活躍が期待されている。
出典:新華社 北京 2006年4月15日
担当:岸田 賢治
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