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中医による鳥インフルエンザ治療、発病後48時間以内に、広州で
出典:広州日報など、藤田 康介整理
鳥インフルエンザ患者が確認されている広州市では『広州市人禽流感疫情応急処理預案』を制定し、このなかで中医学治療に関して、患者発病後48時間以内に介入する必要があるとして、明記された。また、鳥インフルエンザ予防に関しても、「固正気・避リ気・薬物調理」の原則を明記し、体が弱っているときに郊外へ行くことを避けるように呼びかけている。
中国国家衛生部が定めた2005年11月発行の『人禽流感治療方案』でも、すでに中医学による治療方案が付記されており、今回発表された広州市の『広州市人禽流感疫情応急処理預案』でも、中医学が重視された形となっている。広州市では、SARSの経験を踏まえて、積極的に中医学を導入すべきだとしている。
広州案では、SARSで第一線に活躍した広東省中医院呼吸科主任の林琳教授など広州の専門家が関わっている。この中で、林琳教授は、中国衛生部が定めた『人禽流感治療方案』では、鄧鉄涛教授など中国の10名の著名な老中医が過去に中国で発生した鳥インフルエンザ症例を参考にしながら治療方案を検討したことを明らかにした。
『鳥インフルエンザ』に関しても、温病学が重視された形で、その分類方法も「温熱・湿温・衛分・気分・営分」と分けられており、初期症状にあたる「衛分」期での中医治療の重視が訴えられている。この段階での患者の症状は、主に喉の痛みや悪寒などであるが、治療効果も高い。
「気分」になると、発熱や胸の痛みを訴え、呼吸器系統にも大きな問題が生じてくる。末期となる「営分」」となれば、意識障害も現れ、死亡率も60%近くになり、治療が非常に難しくなる。
林琳教授はSARSでの治療経験を踏まえて、鳥インフルエンザの早期中医治療を強く訴えておられる。SARSのときにも、ICUに運ばれてから中医治療を行ったケースが多くあり、治療時期を逸してしまった経験によるものだ。もちろん、中医治療で必ず助かるという保障はないが、その特色を生かすためには早期治療が欠かせない。
関連情報:●『人禽流感治療方案』の中医治療案http://www.chuui.com/doc/tori.htm
●広東省とSARS(『中医臨床』98号)http://www.chuui.com/magazine/98.htm この中には、中国の中医学の権威、鄧鉄涛教授や広東省中医院の林琳教授のインタビューも収録されています。
資料収録時間:2006/3/10
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