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針麻酔の第一例目の症例
針麻酔はいったい誰が最初に行ったか?このことに関して、諸説が出ているが、今のところはっきりとした結論は出されていない。一説によれば、1955年10月に発行された『医道の日本』にある韓国の鍼灸家とも言われているものの、ただこの記事に紹介された針麻酔もこの鍼灸家によって実際に行われたわけではなさそうだ。
上海市中医文献館の張仁氏の研究によれば、中国本土にも針麻酔についての記載が残っている。特に資料が多いのが、上海と西安で、そのうちのひとつが西安で1958年12月5日に初めて電気針を使った針麻酔に成功したという記録とビデオテープが残されている。
この電気針麻酔の創設者は、西安市第4人民病院の耳鼻科医師、孟慶禄主任医師。1958年12月5日に、患者の情緒を安定させるために、内関と太冲の経穴に鍼灸治療を行い、さらに電気針を使って刺激を行った。すると、10分もすれば患者の情緒は安定したという。
そこで、局部麻酔を行う前に、患者の扁桃腺を触ってみると、患者は何も反応を見せず、孟慶禄医師は麻酔を使わないで、扁桃腺の摘出を試みた。20分ほどの出来事だったが、患者は痛みを感じることがなく、手術は麻酔なしで成功に終わった。
そのほか、1958年には上海市第一人民医院耳鼻咽喉科で、扁桃腺摘出手術に麻酔薬を使わずに針麻酔だけで扁桃腺の摘出手術が行われた記録が、新聞にも紹介された。1958年8月30日に第一例目が成功したのち、1958年9月4日までに13例の扁桃腺摘出手術が針麻酔で成功しているそうだ。
この針麻酔手術を担当した上海市第一人民医院の尹恵珠主任医師によれば、これら針麻酔も日ごろの止痛治療の経験からきているそうだ。扁桃腺摘出手術を行う際に、両手の合谷穴に針を刺し、手術を行ったところ、扁桃腺を触れても患者は痛みを感じず、結局麻酔なしで手術が行われたという。1958年8月30日のことだった。
出典:中国中医薬報 2006年3月2日
担当:岸田 賢治
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